籠池泰典 森友学園理事長
「事実は小説より奇なり。私が言っていることが真実であります」
産経新聞 3月23日
名言、珍言、問題発言で1週間を振り返る。国有地の格安払い下げ、安倍昭恵首相夫人の関与、大阪府の私学審議会による「認可適当」判断など、各方面に火の粉を撒き散らしてきた森友学園問題。国会で23日に行われた籠池泰典理事長の証人喚問は、国民の一大関心事となった。
実に計4時間半に及ぶ証人喚問を、時折薄笑いを浮かべながら飄々とした風情で乗り切った籠池氏。安倍昭恵首相夫人からの100万円の寄付の経緯について語った後、民進党の枝野幸男氏から「事実と違えば偽証罪に問われる」と尋問された際も「事実は小説より奇なり」と大見得を切ってみせた。この人、いろいろな意味で常人ではない。
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籠池泰典 森友学園理事長
「そのときは『神風が吹いたかな』と思った。なんらかの見えない力が動いたのではないか」
NHK NEWS WEB 3月23日
籠池氏は国有地の取得についても独特の表現を使って語っている。土地の値下げについて「純粋な政治家の方の対応はなかった」とする一方、「神風が吹いたかな」と昭恵夫人の関与を匂わせた。
焦点になったのは、谷査恵子内閣総理大臣夫人付から籠池氏宛に送られたファックス。そこには「大変恐縮ながら、国側の事情もあり、現状ではご希望に沿うことはできないようでございますが、引き続き、当方としても見守ってまいりたいと思いますので、何かございましたらご教示ください。なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」と記されていた。23日夜に開かれた日本外国特派員協会での記者会見で籠池氏は、「このFAXがあったことによって、次の土地の関係取得の方向がなんとなく進んでいった気がしております」(BuzzFeed Japan 3月24日)とストレートに語っている。
はたして籠池氏は事実を語っているのか、それとも稀代の大嘘つきなのか。今後さらなる証人喚問が続くことで、事態が明らかになっていくはずだ。
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下地幹郎 日本維新の会・衆議院議員
「松井さんはあなたが学校ができるようにはしごをかけて、はしごから落ちたのはあなた自身なんですよ」
国会・証人喚問 3月23日
尋問する側で大きなインパクトを残したのが、日本維新の会の下地幹郎氏だ。小学校の設置認可について松井一郎大阪府知事に「はしごを外された」と訴えていた籠池氏に強い口調で迫っていた下地氏だが、テンションが上がりすぎたせいか、終盤には松井府知事が認可に介入したかのような発言をしてしまった。この発言について神戸女学院大学名誉教授で著述家の内田樹氏はツイッターで「壮絶なバカ」と辛辣にコメントしている。
以前、国(近畿財務局)からの要請があったから認可を行ったという発言もしている松井府知事。証人喚問に応じる姿勢も見せており、どのような経緯があったのかが注目される。
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安倍昭恵 首相夫人
「何でこんなことになってしまったのか、神様は何を望んでいるのでしょう」
産経ニュース 3月24日
籠池泰典氏の証人喚問を受け、自民党は24日、安倍昭恵首相夫人と籠池氏の妻、諄子氏とのメールのやりとりを公開した。
昭恵夫人のメールで特に目立つのは「神様」と「祈ります」という2つの言葉だ。安倍首相に怒りを露わにする諄子氏に対しても、「神様はどこに導こうとしているのか。とにかく祈っています。自分達の保身ではありません。日本の将来のためです」(3月16日)と返事をしている。他人事というか、なんだかとてもフワッとした返事である。
しかし、このフワフワした神道への傾倒ぶりが昭恵夫人の本質なのだろう。『文藝春秋』3月号ではノンフィクション作家の石井妙子氏が昭恵夫人の「スピリチュアル的なものや、神道への傾倒」について指摘している。
野党は昭恵夫人の証人喚問を要求しているが、与党は頑なに拒否を続けている。自民党は昭恵夫人の具体的な関与はもとより、このスピリチュアル具合が白日のもとに晒されることを恐れているような気がする。