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区間賞が狙える選手が並ぶ、國學院の「攻め」のオーダー

 そして今回ほぼ万全のエントリーができた國學院大も「攻め」のオーダーを組んでくる。同大の往路は大きなけがや体調不良がない限り概ねエントリーが見えている。

 1区:藤木宏太(2年)―2区:土方英和(4年)―3区:青木祐人(4年)―4区:中西大翔(1年)―5区:浦野雄平(4年)

 ほとんどの区間で区間賞が狙える選手が並んでおり、強力な配置となっている。4区のルーキー・中西大がどこまで耐えられるか次第だが、土方、青木、浦野の4年生トリオが力を発揮できれば芦ノ湖にトップでやってくる可能性も高いだろう。

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出雲駅伝で優勝を飾るなど好調な國學院大を引っ張る青木裕人(4年) ©文藝春秋

 層の薄さが課題と言われ、復路は不安視されていたが、ここへきて他の選手たちも急速に力をつけてきている。1万mで28分台の記録を持つ島崎慎愛(2年)に加えて、12月の甲佐10マイルレースでは同じ2年生の木付琳が各校のエース級と遜色のない走りを見せた。さらに経験豊富な4年生の茂原大悟に加え、中西兄弟の双子の兄・唯翔もいる。経験不足が否めない部分があるだけに、チーム目標の往路優勝を果たせれば、歴史を変える総合優勝が見えてくる。

今季の駒澤は「4年生がしっかりしている」

 また、エースの札の切り方で「攻め」か「守り」か、戦略が変わってくるのが駒澤大。ルーキーながら1万mで今季学生No.1のタイムを持つ田澤廉を往路で使うか、復路で使うか――。それによって、名将・大八木弘明監督の頭の内が見えてくる。

箱根路の名将・大八木弘明監督の描くプランは…… ©文藝春秋

「田澤は主要区間に起用することになると思います。いくつか候補の区間はありますが、まだ1年生なんでね。今年は4年生がしっかりしてくれていて、チームも上手くリードしてくれているから」

 大八木監督がそう語るように、エースの座こそルーキーの田澤に譲っている空気があるが、今季の駒澤は4年生が強い。エース区間の2区にも昨季同区間でまずまずの走りを見せた山下一貴(4年)がいるため、田澤を往路起用の場合はスピード区間の3区か、後半にアップダウンのある難コースの4区になる可能性が高い。いずれにせよ、この場合は往路からしっかり先頭を見据えた走りになることになる。

 逆に山下や中村大成、中村大聖らの主力級4年生が調子をしっかりあげてくれば、田澤を復路で起用することも十分にありうる。近年勝負を決定づけることの多い7区に田澤を置ければ、往路で多少出遅れても一気に総合優勝圏内まで持ってくることが可能だ。また、ルーキーという立場を考えると本人としても重圧のない復路は走りやすいとも言えるだろう。

山下一貴(4年)らの仕上がりが明暗を左右する ©文藝春秋

 さて、ここまで優勝に近い「5強」と言われている大学のスタンスを見てきた。

 エントリーを見た時に、この上位候補校を崩す可能性があるダークホースが1校ある。それが帝京大だ。