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「首吊り自殺が起きた事故物件に住んでみた」芸人・松原タニシが語る“死にやすい部屋の条件”

「首吊り自殺が起きた事故物件に住んでみた」芸人・松原タニシが語る“死にやすい部屋の条件”

1K6帖ロフト付き、家賃3万6000円

2020/01/07
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「死にやすい部屋」にはお気をつけて

 僕は、「頭が痛くなる」ことが原因ではないかと思う。この部屋に1年半住んでみて実感したのは、慢性的な頭痛に悩まされるため、常にイライラする心理状態に陥ってしまうということだ。

 何故頭が痛くなってしまうかはわからない。もしかしたら塗料などの化学物質が人体に悪影響を及ぼしているのかもしれないし、磁場や電波がどこからか出ていて脳波に支障をもたらしているなどの物理的な要因があるのかもしれない。あるいは、僕が見えないだけで本当は幽霊がうようよいて、何か悪さをしているのかもしれない。本当の原因は僕にはわからないのだけど、ただ、頭が痛くなるという事実は間違いない。

引っ越し作業中

 この「頭が痛くなる」現象が、前の住人を些細なことで苛立たせ、恋人と喧嘩をさせ、命を絶つに至るまでの後押しをしたのではないかと、僕は想像する。「たかが頭痛で自殺するかね」と思うかもしれないが、慢性的な頭痛は思考能力を低下させ、ネガティブな感情を増幅させる。実際に住んでいた僕がそうだったのだから。

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 ただ、そう考えると、ロフトで首を吊った前の前の住人も、この部屋に元々ある「頭が痛くなる」作用の犠牲者なのかもしれない。

 人が死んだ部屋にはそれぞれ理由がある。偶然もあれば必然もある。皆さんも「死にやすい部屋」には気をつけてください。

「首吊り自殺が起きた事故物件に住んでみた」芸人・松原タニシが語る“死にやすい部屋の条件”

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