始めたきっかけは「プログラマーの姿に憧れたから」
――そもそも、プログラミングにハマったきっかけについて教えてください。
上原 よく聞かれるんですけれども、僕の場合、始めたきっかけはいたってシンプルで。パソコンのキーボードを打って黒い画面にいろいろな文字が出る……というような、一般の方が想像するようなプログラマーの姿に憧れたのがきっかけです。おそらく、具体的な誰かというよりも、漫画やテレビで見たんだと思うんですけど。
――一番最初に書いたソフトって何でした?
上原 HSPという簡単な言語を、小学6年生のときに少しだけやりました。HSPの本も買ったんですけど、当時は難しく感じて。中学受験もあったので、そこからちょっとプログラミングから離れていました。
――1回離れたんですね。再開はいつ頃?
上原 中学に入ってからですね。学校のコンピューター部のKCLC(開成コンピューターラバーズクラブ)に入ったんです。
――KCLCって、まず何をするんですか。
上原 新入生に配られる初心者用の講座みたいなものがあるんですよ。C#っていう言語を使う講座なんですけれども。先輩が後輩を指導するというよりも、個々が自由に好きなテーマをやるスタイルの部なので、それを各々が進める感じでした。
――では、最初は、C#の勉強を淡々と。
上原 はい。ただ、C#もやっぱりちょっと難しいなと思って、入門講座の内容が終わってから、夏休みくらいにPythonを始めたんですよね。
AIブームをきっかけにPythonを始めた
――なぜPythonを?
上原 その頃、AIやディープラーニングが話題になっていたんですけど、機械が人みたいに学習するって、なんだかギャップがあっておもしろいな、と思って……。それで、ディープラーニング関連の本とか買うんですけど、そこでは開発にPythonが使われていたので。
HSP、C#と挫折してたんですけど、その経験から下地ができていたみたいで、その下地と、言語そのものの簡単さも手伝って、Pythonは割とすんなりいけました。
――簡単とは言え、Pythonって数学的に難しい部分もありますよね。中学で始めると、分からないところが出てきませんか?
上原 出てきますね。Pythonって行列だとか、偏微分だとか出てくるので。
――通常のカリキュラムだと、高等教育でやる内容です。
上原 はい。そこは、数学に詳しい同級生がいるので、教えてもらったりしながら進めました。