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中々止まらない鼻血は「血液疾患」の可能性も

 中々止まらない鼻血も要注意。血液疾患の可能性があるという。

「普通は出血をしても、血中の凝固因子が働いて自然に止血するようにできています。ところが、血液疾患の場合はこの凝固因子が減少していたり、正常に作用しなかったりするため、中々止まらないことがあります。また、心臓など循環器系の治療でワーファリンに代表される“血液サラサラ系の薬”を服用している人も、一度出血が始まると簡単には止まらなくなる。ただし、これは鼻血に限ったことではなく、全身どこの出血でも同じです」

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 他にも、転倒やモノをぶつける、あるいは殴られる、などの“外傷”で鼻血を招くこともあるが、これは原因がはっきりしているので当人も悩むことはない。

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 話は逸れるが、外傷の一つに「眼窩底骨折」というのがある。

 眼窩とは“眼球”が収まっている空間のこと。この空間の“底”が眼窩底だ。

 ここが何らかの衝撃で骨折するのが眼窩底骨折。これも鼻血を招く外傷の一つで、冬、しかも年末に多いという特徴がある。

 とはいえ、眼窩底骨折が年末に増えるのは気候的な理由ではない。忘年会などで酔って喧嘩をして殴られたり、泥酔して階段から転げ落ちたりしての外傷が大半を占める。

 お酒は楽しく、ほどほどに――。

「顔を上に向けて、首の後ろをトントンと叩く」は無意味

 話を戻そう。

 突然の鼻血に見舞われた時にはどうすればいいのか。

「前述の基礎疾患が疑われないような鼻血であれば、安静にして様子を見ていいでしょう。すでに触れた通り、鼻血の大半は鼻の入口から1㎝以内のエリアから出血しているので、鼻翼部(鼻の外側の左右に膨らんだ部分)を親指と人差し指で挟むようにして止めます。この時、鼻血がのどに流れないように顔を下に向けて抑えるといいでしょう」

 昔は鼻血が出ると、逆に顔を上に向けて、首の後ろをトントンと叩くようなことをする人がいたが、あれはおまじないにすらならない、無意味な行為なのだ。

 よく、ティッシュをちぎって、ねじって鼻の穴に詰める光景も見るが、あれはどうなのか。

「止血作用はありますが、血が止まったあとで鼻腔内に貼り付いたまま乾燥したりすることがある。詰めるのであれば、綿花などのほうが適しています」

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 当然のことながら、鼻血が出たあとは血流が活発になると再発の恐れがある。長湯は避け、アルコール摂取も控えてほしい。