春日 それを描いておかないと、何のためにここでこの動きをしているのかが伝わらなくなって、観ていて盛り上がらないわけです。先に作戦の全容と具体的な指示を見せておくことで、それが上手くいくかどうかで盛り上がる。
上坂 すごい。発明なんですね。
春日 それまでの戦闘シーンは、そういうのを見せていなかった。『T-34』も、そこをはっきり分かるようにしてます。
上坂 確かに。作戦がバレるかもしれないのにわざわざ地図を作って、「ここをこうやって進むよ」っていうのをやってました。
春日 収容所から脱出する時も先にジオラマみたいなのを作って計画を練って。
上坂 ああいう物を作れるって、結構いい環境の収容所かもしれないです。
春日 あの収容所いいですよね。
上坂 ナチスにしては快適。
春日 ソ連のシベリア収容所と全然違いますよね。
上坂 そう。人間として扱ってる。
こういう戦争映画を待っていました!
春日 これは大画面で見ないと。
上坂 そうですね。
春日 僕も『ぴあ』で映画紹介の連載をやってるんですけど、公開前にバッチリ紹介しました。
上坂 素晴らしい。これはぜひたくさんの人に見てほしい。
春日 全人類に見てほしいですね。
上坂 見てほしいです!
春日 みんな元気になると思う。
上坂 そうなんですよね。説教要素も全然ないし。「戦争は恐ろしい」というのは、戦闘の迫力で分かってくださいね――っていう作りですから。
春日 こういう戦争映画を待っていました!
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上坂すみれさんと春日太一さんが天知茂や名画座での思い出について熱く語った対談本編は、ローソンにて絶賛発売中の『週刊文春エンタ!』に掲載されています。