1ページ目から読む
2/3ページ目

橋本 彼らが最後の10組目で出てきて和牛を抜いて3位になったときは、2008年にオードリーが敗者復活から勝ち上がったときの衝撃に近かったですね。最後の最後で、とんでもないコンビが入ってきたなという。彼らの何がすごいって、ファーストラウンドはラスト出番で、最終決戦はトップ出番でしたよね。つまり、2回連続でネタをやってるんです。彼らの突っ込みは、突っ込むと見せかけて突っ込まない。「……とは言い切れない」みたいな。ああいう独特のシステムは一度カラクリがばれると、どんどんしぼんでいくものなんですよ。でもぺこぱはパターンはもうばれてるのに、そこからさらにウケたじゃないですか。2回連続で同じシステムの漫才をして笑いが落ちないって、すごいことですよ。彼らはそれだけ本物の力があるということだと思います。だから、ここからは楽ではないでしょうけど、同じ路線でもいけるし、もっと普通な感じにしてもいけると思いますよ。

ぺこぱの松陰寺太勇(右)とシュウペイ ©M-1グランプリ事務局

和牛が優勝するにはかまいたちを叩くしかなかった

――和牛は3年連続2位で、今年は敗者復活から勝ち上がりましたけど、最後、ぺこぱに抜かれて4位に後退。和牛も経験がそのままアドバンテージになっているとは言い難いと思うのですが。それにしても、2番手でかまいたちが660点という高得点を叩き出し、3番手で敗者復活組の和牛が出てきたときは盛り上がりました。

橋本 今年、和牛が優勝するとしたら、ファーストラウンドでかまいたちを叩くしかなかったと思うんです。あそこで660を上回れば、乗って行けたでしょうね。準優勝パターンを突き抜けたと思います。ただ、今年はかまいたちがすご過ぎましたね。

ADVERTISEMENT

かまいたちの濱家隆一(右)と山内健司 ©M-1グランプリ事務局

――かまいたちは一昨年が4位、昨年は5位と後退しましたが、今年は2位と盛り返してきました。ベテラン組のすごみを感じましたね。

橋本 かまいたちなんやから、これくらいおもろいことはやってくれるんやろうというのを超えてきましたからね。場数を踏んでるコンビは、出てきたときの安心感が半端ない。だから、お客さんも少々難しい設定のネタでも集中できるんですよね。

――ボケの山内(健司)さんがUSJをUFJと言い間違えて、その間違いを指摘されると、なぜか山内さんは濱家(隆一)さんが勘違いしたかのごとく論を持っていく。冷静に考えると、むちゃくちゃですもんね。

橋本 あれを若手がやったら、シラこくなる。

――シラこい?