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2020/01/11

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会

若頭という役職の前に待ち受ける「茨の道」

 若頭という役職は単に組織のナンバー2であるだけでなく、親分である組長の跡継ぎとしての意味も持つ。そのため、組長が代替わりするたびに、若頭は交代してきた。ただ、山口組の歴史を振り返ると、役職としての若頭の前には茨の道が待ち受ける。

 そもそも山口組を戦後最大の暴力団に拡大させた三代目組長、田岡一雄以降、組長とともに就任した若頭3人がそのまま組長になった例は皆無。それどころか、髙山を含む直近の若頭6人のうち半数は銃撃されて非業の死を遂げているのだ。

神戸山口組の古川恵一幹部が射殺された現場付近(兵庫県尼崎市、2019年11月27日) ©共同通信社

 他の若頭達の一部は組長に就任したが、最後まで苦難の道を逃れられたとはいえない。四代目組長になった竹中正久は若頭を経て組長に就任するも、就任に異議を唱えて山口組を飛び出た山本広側に殺された。五代目組長の渡辺芳則も若頭を経て就任したが、殺害された若頭の宅見勝の後を継いで若頭となっていた現組長の司忍に半ば脅迫されるかたちで組長を退いたとされる。

 たとえ司の最側近である高山といえども七代目の椅子は決して安泰ではない。弘道会のトップは司以上に高山に近い竹内照明だが、今回、その補佐役に野内を据えた人事は、山口組の中核勢力である弘道会の主導権を司派から高山派に戻す意味合いもあるのだ。

山口組弘道会傘下の組事務所に入る高山清司若頭(左端、名古屋市、2019年10月18日) ©時事通信社

ヤクザ組織が変革しても、変わらないこと

 無論、「特定抗争」指定などで組長就任のメリットもさらに減るばかりにみえる。捜査関係者は「メンツさえ捨てれば、警察も利用しつつ、色んな組織と合従連衡する半グレなどのアメーバ的な組織形態の方が、ヤクザにとってもメリットが大きいはず」とヤクザ組織の変革を予想する。

 ただ、半グレのような組織に近づいても、ひとつだけ変わらないことがある。それは高山の復帰前後の流れから見ればあきらかだ。ヤクザは、暴力装置であることだけは放棄せず、その掟に忠実であるものだけが生き残る。それが高山なのか、別の人物なのか、というだけで。

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