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リオでは織田信成さんに二度見されて……宮藤官九郎が語る、4年がかりの『いだてん』制作秘話

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2020/01/24
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 2019年12月17日、宮藤官九郎氏の著書『NHK大河ドラマ「いだてん」完全シナリオ集 第2部』の刊行を記念し、トーク&サイン会が行われた。トーク&サイン会には、総勢130名の『いだてん』ファンが集まり、会場の壁一面に『いだてん』のファンアートが。

 ファンからの「最高だったじゃんね〜!」の掛け声と祝福のクラッカーに迎えられ、宮藤官九郎氏は少し照れ臭そうに頬笑みながらいつものように淡々と語り始めた。

 

――4年がかりの大仕事でしたね。

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宮藤官九郎氏(以下、宮藤) 最初にお話をいただいたのは5年前の、2014年の秋。「『あまちゃん』のチームで戦中のドラマを作れないでしょうか」とお話をいただいて。最初は、大河ドラマの枠でやることも決まってなかったんですけど……2015年の秋から、大河ドラマに、という話になっていったはずです。

リオでは「なぜここにいるの」と二度見されて

――リオ五輪にもいらっしゃったんですよね。

宮藤 2016年ですね。開会式に取材に行ったんですが、現地にいらっしゃったのは織田信成さんや照英さんなどで、その中になぜ宮藤官九郎がいるんだ?と二度見されて……「すみません、僕もそう思ってます」と言いたかったんですけど。

 北島康介さんと一緒に開会式を見た時、緊張と疲れでおかしくなって、入場行進の時に寝てしまったんですよね。この間、北島さんにお会いした時にそのことを謝ったら「いや大丈夫です、僕も寝てました」と言っていただきました(笑)。

 

――当時はまさか、北島康介さんが『いだてん』に出演することになるとは……。

宮藤 全然、思ってなかったです。出演いただきたいと思った後も、最初はまったく別の役を想定していて。オリンピックに関わる人で、一言だけ言って振り返ったらもういない……みたいな役がいいなと考えていたんですけど、スタッフから「やっぱり北島さんは古橋廣之進でしょう」と言われ、そうか、そりゃそうだよなと。思いつかなかった自分が悔しかったです(笑)。