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「二十歳すぎると時の流れがほんと早いから」 朝日、読売、産経、東京の成人式社説はどう“激励”した?

「おじさんはすでに成人している」という謎の絶対優位

2020/01/17

genre : ニュース, 社会

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365日「主張」を続ける産経師匠は?

 産経新聞にいってみよう。

「【主張】成人の日 あなたが新時代の主役だ」

 以前に「青年の主張」という番組があったが産経師匠は365日「主張」なのである。見習いたい。

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 注目したのはここ。

《政府は全世代型社会保障改革を進めているが、医療や年金は大丈夫か、不安を抱く人も多いだろう。》

 ほら、やっぱり税や社会保障について不安を持つのはおかしくないのだ。

《それだけではない。災害が多発し、安全保障上の脅威もなくなっていない。日本が置かれた状況は厳しい。》

 ではどうすればよいのか。

《しかし悲観ばかりしてはいられない。今回の新成人だけでなく若い世代には、逆風を吹き飛ばす力をこそ見せてほしい。》

 いきなり若者に丸投げする産経師匠。そして、

《東京五輪の年である。若い力の躍動が見られよう。》

 出ました。元日の一面トップは「日本は五輪で再生する」だった産経師匠。五輪への多大な期待。

 では税は、社会保障は、どうすればいいのか……。

©iStock.com

 しかし、

《令和という新時代を切り開いていく主役は、皆さんだ。》と機嫌よさそうに書いて若者へのメッセージは終わった。

 新成人の皆さん、おじさん達の一方的な説教を聞いてくれてありがとう。よく頑張りました。

「二十歳すぎると時の流れがほんと早いから」 朝日、読売、産経、東京の成人式社説はどう“激励”した?

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