どんな文字も、語尾を伸ばしたらアイウエオのいずれかになる。そのときにa(ア)になる文字とか、u(ウ)になる文字だけを数珠のようにつなげて、できるだけ長くなる言葉を収集するということを趣味でずっとやっている。具体的にいえば、「あなた」なら「a」だけ、「ゆず湯」なら「u」だけをつなげて出来た言葉。そういうやつだ。過去に集めたものをざっと挙げてみよう。
aグループ
サラダ、バナナ、彼方、田中、香川、かなかな、カタカナ、バーナー、赤坂、ジャガー、神奈川、和歌山、アラバマ、パーカー、パワハラ、さわやか、なだらか、マハラジャ、シャバダバ、浅間山、鮮やかさ、あからさま、笑わなきゃ、離さなきゃ、バーバパパ、山田菜々、まちゃまちゃ、安達太良山、ラーマーヤナ、マハーバーラタ、肋バラバラ、中原昌也
iグループ
力士、非力、シジミ、ひじき、響き、いちびり、篳篥、右尻、凛々しい、厳しい、切り岸、しみじみ、生き死に、生き字引き、新見錦
uグループ
主婦、頭痛、プール、古巣、牛乳、乳牛、九州、琉球、リュージュ、ミューズ、ブルース、複数、中流、授乳、くるくる、ウルフルズ、手術中、トゥールーズ
eグループ
ペレ、レゲエ、ベレー、へべれけ、テケテケ、照れ照れ、メケ・メケ
oグループ
子ども、そぼろ、トトロ、豊幌、大トロ、ドローフォー、琴の音、祖母の保護、オートモード、この世のもの、子どもの頃のこと
「aグループ」が圧倒的に多いことがわかる。そして「eグループ」は比較的少ない。これはまあ、和語の傾向なのだろう。「uグループ」は外来語がおおかたを占め、「eグループ」はそもそも和語自体が「へべれけ」くらいしかない。他にはしいて言うなら「でれでれ」のような擬態語くらい。
人の名前の場合も面白い。「aの音」だけで構成されている知名度の高い名前には山田菜々、中原昌也あたりが挙げられるが、「たかださやか」とか「なかやまあやか」とか「かわはらたかや」とか、架空の名前を思い付くだけならいくらでも思い付く。「山」「田」「川」「原」などが「aグループ」なので、苗字と絡めるのがとても楽だからだ。「iの音」だけの名前で新見錦を見つけたときは思わずガッツポーズした。幕末マニアなら知っているだろう、壬生浪士組の一人。「oの音」だけの名前なら、「おおのももこ」とか「おのともこ」とかが思い付く。あとは「こころ」というのも名前としてはわりとあるだろう。苗字だと「野呂」「横尾」「音尾」「野本」「大友」など意外と多いけれど、下の名前としては女性名が目立つ。男の名前で何かないかなあ。「ともお」か「もとお」か「とよお」くらいしか「oの音」だけの男の名前はないのかな。「能登男(のとお)」とか「四方男(よもお)」とか「幌男(ほろお)」とか「心男(こころお)」とか、わりといい名前じゃないかなあと思うのだが。