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もっとすごい「五輪ポエム」があらわれる?
今年の東京五輪は、さまざまな取り組みにより、結局夏に向けて気運が高まるだろう。
だが、こうも考えてみたくなる。もしまったく盛り上がらなければ、現代のコピーライターはどんな新しい「五輪ポエム」をひねり出してくるのだろうか、と。
1943年3月10日号の「動員ポエム」は、そのヒントになるかもしれない。
◇
撃ちてし止まむ
撃ちてし止まむ
撃ちてし止まむ
◇
これだけでは、単なるスローガンの連呼にすぎないが、この日の「時の立札」は、その文字をだんだんと大きくすることで、叫び声がこだまするような、独特の視覚効果を獲得している。
イメージがよくわかなければ、電車の中吊りに「全員団結! 全員団結!! 全員団結!!!」と記されているのを想像してもらえばよい。まるで刷り込まれるような不気味さ。こういうタイポグラフィの活用もなかなか無視できない。
あるいは、感動と涙を押し出した定番のものも考えられるだろう。もちろん「動員ポエム」にもそういう例があった。最後にこれを引いておこう。
◇
『後のことは引受けました。御心配なく
立派に戦つて下さい』
あなたが はつきりさういつて
送り出した勇士の家に 若し
不安の陰を投げかけるやうなことがあつたら
勇士は哭きますぞ
(1943年4月21日号)
◇
利害関係者が泣くのは勝手だが、やはり「全員団結」は御免被りたいものである。