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特集観る将棋、読む将棋

2020/01/26

研究会を減らしているのに、指導対局をするのはなぜ?

 指導対局の終了後、佐藤康光九段に話を聞いた。

――年末年始はどのように過ごされましたか。

佐藤 28日が将棋連盟の仕事納めで、それからゆっくりしました。いままでは1月2日に研究会で指し初めをしていたので、年が変わってものんびり過ごすイメージがあまりなかったんです。でも今年は三十何年ぶりかにやらず、休養させていただきました。

 

――昨日は群馬県高崎市の「上州将棋まつり」に出演されました。

佐藤 森内(俊之九段)さんとの席上対局は完敗でしたね。指導対局は3面指しを1回で、羽生(善治九段)さんと森内さんもやっていました。
先崎さんの会場は初めてで、10人ぐらいの規模で指導対局をやるのは珍しいです。「会長と指し初め」なので、初手と投了は私の役目でした(笑)。

――先崎九段は将棋、囲碁、麻雀の3面指しを披露したこともあるそうですよ。

佐藤 彼にとっては仕事みたいなものでしょう(笑)。

――2月で会長職4年目を迎えます。多忙で研究会を減らしているにもかかわらず、指導対局に時間を割かれるのはなぜでしょうか。

佐藤 休みの日になるべく受けるようにしています。ファンの方の声を聴くことが大事だと思っているからで、ヒントを得ることも多いです。今日来たのは、先崎さんも頑張っているので、協力できるところは協力したいですから。

 

初心者は王手に気づくだけでも、強くなっている

――指導対局で心がけていることはありますか。

佐藤 まずはファンの方に実力を出し切ってもらいたいですね。トッププロは相手の力を発揮させない技術に長けていますが(笑)、それを見せてはいけないと思います。

――初心者が指導対局にデビューする目安を教えてください。

佐藤 駒の動かし方や反則など、ルールを覚えていただければ、プロがしっかり教えます。あとは、王手の意味が分かることですかね。王手に気づくだけでも、かなり強くなっているんですよ。飛車と角で遠くから王手されると、うっかりしやすいですから。