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ぱぷりこ。妖怪女子をお焚き上げします。

・コントロール不可能なもの:生まれた親(チェンジできない)、親の性格(絶対に変わらない)、同僚の生育環境、仕事環境(すぐには変わらない)、婚約者の性格

・コントロール可能なもの:自分

・コントロール可能(一部)なもの:自分と婚約者との生活(話し合いができる場合に限る)

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 分解してみると、メイコさんを苦しめているのは「コントロール不可能なもの」ばかりだということがわかります。メイコさんは、自分で変えられないもの、かつ巻き戻しが不可能なものについて「こうだったらいいのに」と嘆いて、すでに持っている人を見て「羨ましい」と思っていますが、この「変えられないもの×自分の存在を成立させた大前提(親と生育環境)」を否定する比較は比較の中でも最悪オブ最悪で、精神に悪影響のみを及ぼします。どんな凄腕コンサルタントでも問題解決家でも、前提は変えられません。

 では神ではない非力な人間はどうすればいいか? といえば、自分に割り振られた交換不可能なカードを「諦めて受け入れる」ことです。受け入れたうえで、戦う戦略を練ることです。交換可能ならいくらでも考えてあがいていいでしょう。しかし、交換不可能なら、与えられたカードで戦うしかありません。

 なぜ諦めたほうがいいかといえば「思考リソース確保」のためです。メイコさんは問題が山積みで混乱している状態だと思われます。考えなければならないこと、決断しないといけないことがいっぱいあると、人間はストレスを覚え、逃げたいと感じる生き物です。

 なのでコントロール不可能なものについて思考することをやめ、「自分でどうにかできることにフォーカスする余裕を作る」ことをお勧めします。ただでさえ人間は、決断することに多大な思考リソースを必要とします。問題はなるべく少なくして、ひとつひとつの問題に対する集中力を高め、満足のいく決断をするために環境を整える必要があります。