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連載池上さんに聞いてみた。

池上さん、職場で働かない中高年「妖精さん」をどう思いますか?

池上さん、職場で働かない中高年「妖精さん」をどう思いますか?

池上さんに聞いてみた。

2020/02/04
note

Q 働かない「妖精さん」をどう思いますか?

「勤め先で働かない(あまり業務がない)中高年」という「妖精さん」について、朝日新聞が取り上げていました。フリーランスの立場でジャーナリストとして活動している池上さんは、こうした中高年の働き方についてどんな風に思いますか?(50代・女性・パート)

A 「どうせ出世できないなら……」と居直ってしまう人が「妖精さん」に。

「妖精さん」とは悲しいネーミングですね。どうしてこんな呼び方になったのかというと、「朝の数時間しか姿を確認できない珍しい存在」だからだそうなんです。午前中は職場に顔を出すけれど、いつしか姿を消してしまうというわけです。

 一昔前まで日本の大企業は終身雇用でした。入社すれば、不祥事でも起こさない限り雇用は保障され、そこそこまで出世できました。

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 しかし、それ以上の能力はないと会社に判断されると、大して仕事のない職場に追いやられる中高年社員が出てしまいます。

©iStock.com

 彼らは、「自分の出世はここまで」と自覚できますから、「どうせ出世できないなら、このまま居座っていればいいだろう」と居直ってしまう人が出てきます。この人が「妖精さん」になってしまうのですね。

 この責任は経営陣にあります。社員がみんな働く意欲を持って(インセンティブを持って)働けるようにするのが経営の要諦。中高年には中高年の働き甲斐のある仕事や職場を作り出すことです。そうなれば「妖精さん」の話は「おとぎ話」で終わるでしょう。

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