傷害の否認
二 傷害罪について
傷害罪についても、以下の事実により成立しない。
1 足の爪を剥がしたことについては、被疑者らが命じたりしたことは絶対にない。
2 自傷癖があり、自分で自分の顔を殴ったり、眠気を抑えるためにペンチで自分の体をつねったりしていた。
3 手の爪を自分で噛んで剥がすという癖がある。
4 少女は、小学1年時(※ママ)頃から被疑者達が少女を預かった小学4年時頃まで同居していた女性から虐待されていた。
5 少女は極めて情緒不安定な状態にあり(精神安定剤を服用していた)、被疑者らも手に負える状態ではなかった。
6 少女は女性被疑者に敵意を抱いており、追い出したがっていた。
7 盗癖があり、そのことを少女に問いつめたら女性被疑者がしたことだと責任を転嫁した。
8 女性被疑者も少女から暴行を受けていた。〉
誤解を与えないため事前に説明をしておくが、これらはあくまでも松永と緒方が当時、弁護士に対して話した主張に基づくものである。そのため特に〈二 傷害罪について〉のほとんどは、後の裁判において否定されている事柄である。
一般常識と照らし合わせてみて、そうしたことはおよそ考え難い場合でも、被疑者が真実だと主張する限りにおいては、その主張に沿った弁護をすることが弁護士の職務であることから、このような内容になっている点をご理解いただきたい。
なお、その後の質疑応答の内容についても、同様の理由によるものであり、弁護士は松永と緒方の主張を代弁しているに過ぎないことを、念頭に置いておく必要がある。
「監禁罪は成立しない」
3月10日から連日接見を続けている弁護士に対して、松永と緒方は「(少女の)父親の存在は知らない。少女の虚言癖に踊らされているだけだ」と話しているという。以下、記者とのやりとりの一部を抜粋する(※記者は「Q」、弁護士は「A」と記載)。
Q「ふたりが17歳の少女を預かったのはいつか?」
A「お渡ししたメモにあるように、小学4年生頃のようだ」
Q「その頃まで同居していた別の女性というのは?」
A「詳しいことは聞いていない」
Q「少女を預かった理由は?」
A「詳しく聞いていない。ほかの男の子についても聞いていない。ただ、以前ほかにも子供を預かっていたようだ」
Q「保護される前の少女の生活は?」
A「外出は自由で、常に現金を持たせていた。ひとりで買い物にも行かせており、監禁罪は成立しない」
「少女の虚言癖に踊らされている」
Q「少女の体に広範囲の痣が見つかったが」
A「自傷癖があり、情緒不安定で、手に負える状態ではなかった」
Q「逮捕容疑には少女の首をロープで絞めたとあるが」
A「心当たりはないが、洗濯物を干すロープに自分で絡んだのではと言っている」
Q「ケガの治療は?」
A「病院には行かず、自分たちで治療していたようだ」