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連載完全版ドキュメント・北九州監禁連続殺人事件

北九州監禁連続殺人事件の犯人に騙され「2500万円を支払った」双子男児の母

完全版ドキュメント・北九州監禁連続殺人事件 #5

2020/05/05

genre : ニュース, 社会

 2002年3月15日、捜査本部は松永太(逮捕時40)と緒方純子(逮捕時40)に監禁されていた17歳の少女・広田清美さん(仮名)の父・広田由紀夫さん(仮名)に対する殺人容疑で、関係先の住居を家宅捜索した。

事件について伝える「週刊文春」2002年3月21日号 ©︎文藝春秋

3箇所のマンションを家宅捜索

 家宅捜索されたのは、いずれも福岡県北九州市小倉北区にあるマンションで、由紀夫さんが殺害されたとされる片野の『片野マンション』(仮名)30×号室と、清美さんが逃走直前まで監禁されていた東篠崎の『東篠崎マンション』(仮名)90×号室、さらに男児4人が保護された泉台の『泉台マンション』(仮名)10×号室の3箇所である。

 またこの日、泉台マンションで保護された6歳双子男児の母・田岡真由美さん(仮名、当時37)が、居住していた山口県徳山市(現:周南市)で記者会見を開いている。

©︎文藝春秋

母親と認められた真由美さんが……

 じつは真由美さんは3月13日に、勤務先の飲食店グループの会長と社長に付き添われて北九州市児童相談所に出向き、子供たちと面会しようとしたが、「女性が本人と証明できない」として、面会を断られていた。そして翌14日になり、前日に撮影した真由美さんの写真を見て、すでに双子と面会していた夫が本人だと認めたこと、子供たちも母親だと認めたことから、面会が許可されたのだった。

 面会時の状況について、一部のメディアは真由美さんらへの取材を進めることによって、その場での様子を把握していた。それは以下の通りだ。

※画像はイメージです ©iStock.com

 まず午後2時40分頃に相談所にやってきた真由美さんは、所内の面接室で子供たちに会い、ひとりずつ抱きしめて「重くなったね」と声にしていた。子供たちは母親にとくに執着することなく、室内に置かれたおもちゃ遊びに夢中だったという。真由美さんが「元気だったの?」、「いっぱい食べてるの?」と問いかけると、子供たちは相談所での生活について「楽しいよ」と答え、彼女が持参した絵本に関心を示していた。面会時間は約30分で、別れ際に真由美さんが「また会いにくるね」と告げると、「今度はパパと一緒にね」と言われた、というのが一連の流れである。