今、総務部が取り組んでいるのは、社内にあるリフレッシュルームの改装。喫煙ルームを撤廃し、誰もが快適に過ごせるリフレッシュスペースへと生まれ変わらせる計画だが、石川さんには日々の「社長秘書」業務もある。「覚えること、やることが多くてこなすのに精一杯」と話す石川さんだが、この会社に入ってよかったと思うことが2つあるという。
1つめは、「あたたかい社風」。
JR東日本環境アクセスには、職場の仲間の「いいな」と思う行動をほめると、ほめた人・ほめられた人それぞれにポイントが貯まる「ハッピーポイント」というしくみがあるが、その制度のおかげか、社員同士がほめ合ったり、感謝を伝えたりする風土が根づいている。「何気ないことでも『ありがとう』と言ってもらえると、すごく嬉しいし、また何かしてあげようという気持ちになります。こういう社風はすごくいいな、と思います」
そして2つめは、「野球部OBとの絆」だ。JR東日本野球部OBから「石川、帰ってきたのか」「久しぶりだな」とあたたかく声をかけてもらえたのが嬉しかった、と石川さんは言う。
「未熟な私を辛抱強く受け入れてくれる職場の方たちといい、十何年ぶりに会う私に優しく声をかけてくれる野球部OBの方たちといい、私は本当に人間関係に恵まれている。感謝しかありません」
仕事で大切にしていることを聞くと、「自分のために仕事をするのではなく、いつも『これをやったら、誰にどう喜んでもらえるか』を考えて仕事をするようにしている」という答えが返ってきた。
石川さんがめざす「会社への恩返し」は、まだ始まったばかり。だが、誰もが認める「勝ち投手」に向けて、着実に歩みを進めている。
「白星」は、もう目の前にある。
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