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裁判所は逮捕状と勾留決定の自動販売機

 行政組織である検察庁を牽制すべき裁判官が、じつは検察の言いなりになっているのがこの国の実態。裁判所は逮捕状と勾留決定の自動販売機であり、検事がコインを入れてボタンを押すと必ず出て来る仕掛けになっているのだ。

 1995年にNPO人「監獄人権センター」を設立するなど日本の刑事拘禁の問題に詳しい海渡雄一弁護士は「国策捜査アカン」というサイトで、長期勾留の問題点について、

「アメリカでは殺人事件を犯しても、逃げる危険性がなくて保釈金を詰めれば、数日で保釈されるのが一般的。日本の刑事司法では罪証隠滅の恐れが拡大解釈され、関係者の言い分が少しでも違っていたら長期勾留されてしまう。そもそも、取り調べというものに対する感覚もまったく違っており、ヨーロッパやアメリカではどんなに長い国でも48時間。日本だけが身柄を取って罪を認めたら保釈というような人質司法を続けている」

 と語ってくれている。

国連拷問禁止委員会から厳しく批判されているが

《日本国憲法第31条には「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」と書かれています。公判が始まっていない籠池夫妻は無罪と推定され、独立した公正な裁判の前に「自由を制限されない権利」を保障されているはず。しかし、裁判所が長期拘禁の妥当性をきっちりと吟味できているとは思えません。

 日本の刑事司法手続き、とりわけ人質司法と呼ばれる身体拘束の常態化は、国連拷問禁止委員会や国際人権(自由権)規約委員会から厳しく批判されたものの、改まる気配はありません。

 ちなみに国際人権(自由権)規約9条3項は「裁判に付される者を抑留することが原則であってはならず」と規定しています。》

ゴーンさんにユニクロのフリースを届けよう

 カルロス・ゴーンさんが東京地検特捜部に逮捕されたときは心から同情した。

©文藝春秋

「言葉もわからない異国の拘置所に勾留され、どれだけ心細い思いをしておられるのだろう」

「日本人であるボクたちでも辛かったあの粗末な食事。まったく違った文化のなかで育ったゴーンさんは耐えられるのだろうか」

 ボクたち夫婦はテレビを見ながら話し合った。

 ゴーンさんにユニクロのフリースを届けよう、というアイデアは家内が思いついた。大阪拘置所の寒さに苦しんでいるときに議員の山本太郎さんから差し入れてもらい、どれほどうれしかったことか。今度はお返しする番だと思ったのである。