――よく、「文は人なり」と言いますが、文体について思うことはありますか。
菊池 ぼくはこの本を書いて、文体が好きなんだということを再確認しました。ぼくはWeb編集が本業なんですが、Webってどんどん一つの書き方に収斂されていくので、どんどん個性がなくなるんです。だからこういういろんな人たちの文体に触れているのが、すごい気持ちいいんですよね。
神田 ぼくは、文体って、洋服やファッションみたいなものじゃないかと思いますね。ただ、よく「文体を完璧に真似して真似出来なかった部分が自分の個性」だとか言われたりしたんですが、そういう部分はなかったですね。
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女性向け自己啓発エッセイ
Self-enlightenment Essay for Women
愛されるためのカップ焼きそば作りとは?
女性なら誰でも、男性から「きれい」「かわいい」と言われるようなカップ焼きそば作りをしたいものですよね。本書ではそんな魅力あふれる「焼きそば作り」をする女性たちを取材し、その秘密の方法をまとめました。
【1】自分のなかの食欲に目覚めます
【2】「食べたい焼きそば」ではなく「似合う焼きそば」を選びましょう
【3】思わず触りたくなるほど磨かれたヤカンでお湯を作りましょう
【4】Sラインを意識しながら焼きそばの蓋を開け、かやくをかけます
【5】ぬけ感が出るようにふんわり空気を含ませながらお湯をかけましょう
【6】ツヤツヤな麺になるように五分待ち、湯切りをして、ソースをかけます
【7】内面から食欲が満たされるように楽しみながら焼きそばを食べましょう
食べ終わったあとは、容器にほんのちょっと残った赤リップが、周囲の男性をドキッとさせるでしょう。
(『もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら』より)
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菊池 なかったんですか(笑)。でも、ぼくも同じように思っています。服を選ぶ時って、シンプルな服が好きとか、その人の好みが出ますよね。文体も同じようなものだなと。
――ありがとうございました。とにかく、この本の面白さは読まなければ伝わらないと思います。それにしても、初版2万部で翌日重版2刷り3万部、1ヶ月経たずに3刷り2万部とはすごい。プロデュース・編集の石黒謙吾さんが言うように、人生は変わりましたか?
神田・菊池 まだまったく変わっていないですね(笑)。