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2020/02/06

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 国際

 文在寅政権はこの3年間、中国と友好関係を維持するため低姿勢を貫いてきた。今回の新型コロナウイルスへの対応でも、中国の反応に神経を使いながら初期対策を進めてきた結果、入国管理など初期対応が後手に回った。

 新型肺炎が問題になって以降も、武漢から6000人あまりの中国人が韓国に入国する事態となった。

新型コロナウイルスの検査のために明洞に作られた医者や中国語通訳が待機する医療テント(筆者撮影)

 入国管理もいまだ迷走中で、2月2日、政府は「観光目的の中国訪問を禁止する」と発表したにもかかわらず、わずか4時間後に急遽発表を取り消した。その経過については未だ詳細な説明もされていない。さらに武漢から韓国人を輸送するチャーター機の派遣についても、政権内では否定的な姿勢が続いていた。

3大紙も初期対応を厳しく批判

 その初動対応のまずさを、韓国の3大紙も一斉に政権に厳しい論調で報じている。

〈韓国の検疫システムは穴だらけ〉(中央日報、1月28日付)

〈米国や日本がチャーター機を送ることにした後、ようやくチャーター機を派遣すると立場を変えた〉(中央日報、1月28日付)

〈韓国は最悪のリスクに全くの無策〉(朝鮮日報、2月1日付)

武漢からのチャーター機帰国を報じる2月1日の朝鮮日報1面

 また、文在寅政権の思惑とは別に、韓国国民の「中国嫌い」は根強く存在する。特に2017年にアメリカが地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)を韓国に配備したことで、中国と深刻な外交対立に陥り、中国から経済制裁も受けた苦い記憶があるためだ。

 そのため、韓国の外交部が先月30日に、中国に300万枚のマスクを提供すると発表した際には、ネット上で「(中国に)朝貢するのか」という批判が相次いだ。政権の対中外交のツケが、過剰なまでの嫌悪感として噴出している。