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「日本ヘイトだ」「反日だ」と非難する人たちへ

 しかし、だからといって、「#中国人は日本から出て行け」というハッシュタグで中国人差別をしていいということにはならない。しかも、このハッシュタグと並んで、「#中国人死ね」「#中国人帰れ」「#中国人低級民族」などという見るに耐えないハッシュタグまで書き連ねてある。これは明らかにヘイトスピーチだ。

 ところで、このことをYahoo!ニュース個人の記事で書いたのだが、それに対して「日本ヘイトだ」「偏向記事だ」という声が上がった。実際、これまでも書いた記事について、幾度となく「反日だ」という非難もされた。

 記事に対してどう感じるかは人それぞれであるから、それに対して批判するつもりはない。ただ、筆者としては、日本のことが大好きだから、愛しているから、おかしいと思うことを指摘したいと考えている。苦境に置かれている人々に、ヘイトをぶつける日本人であってほしくないのだ。

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1月16日、中国・武漢から成田空港に到着した人々 ©︎時事通信社

「日本は口で言っているだけ。他国は実際に入国禁止にしているじゃないか」と他国の方が中国人をもっと差別していると訴える声もある。しかし、入国禁止の措置を取ることと、ヘイトスピーチによる差別は全く別ものだ。筆者は感染拡大防止のために入国禁止措置を取ることには賛成の立場だが、人権を踏み躙るヘイトスピーチはヘイトしている。

 SNS上でヘイトが撒き散らされるだけの状況も悲しく感じている。 

 韓国では入国禁止を求める嘆願書の署名集めが行われおり、67万以上の署名が集まっている。民主的な政治活動により、政府を入国禁止へと向かわせようとしている。シンガポールでも同様の署名運動が起きた。香港でも今、入境禁止を求めて抗議運動が起きている。

 しかし日本では、SNS上でヘイトスピーチしているだけで、大規模な行動に移されている気配が感じられない。対策はお上任せで、SNS上で陰口を叩いているだけのような状況にも情けなさを感じている。

連鎖していくヘイトスピーチ

 ヘイトスピーチが怖いのは、それが連鎖していくことだ。日本でも、新型コロナウイルスの感染者が入院している病院の職員の子供や、感染者が滞在したホテルの従業員の子供がいじめにあっているということが報道された。ヘイトされる状況が生じているのだ。

©iStock.com

 暴力が連鎖していくように、ヘイトも連鎖していく。また、前述のゴー氏が話しているように、今では、ヘイトはSNSを通じて増幅している。

 たとえ、感染に対する恐怖や、感染拡大にも関わらず日本に来る中国人旅行者に対する怒りや、日本政府の措置に対する不満や、不満があっても行動に移せないジレンマがあろうとも、ヘイトスピーチは許されるものではない。

 感染が拡大する中、今一番苦しんでいるのは、誰より感染爆発の真っ只中にいる中国の人々なのだから。