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 とはいえ現状も、マスクなどの転売行為は続いている。余ったものを他の人に分ける、的なものだけならともかく、明確に「高額転売」と思えるものも存在する。

 事業者の側としても、転売行為を簡単に止めづらい事情がある。なぜなら、出品禁止とする理由をガイドラインで定め、ユーザーに周知する必要があるからだ。

 2月7日夕方、ヤフーは、出品についてのガイドライン変更を発表した。出品を禁止できるものについてのガイドラインに、「災害などの緊急事態において、供給不足により人の身体・生命に影響がある物品を不当な利益を得る目的で入手し、出品していると当社が判断する出品」という条項を追加したのだ。

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 これにより、今後状況が悪化した場合にも、この条項をもって出品停止措置を行いやすくなる。これは、ヤフー広報のいう「必要な措置」のための一手だ。

コンビニやドラッグストアではマスクは売り切れ ©AFLO

ネットワーク化で転売が大規模に

 筆者は、「事態が収束するまでマスクなどの出品を禁止すべき」だと考えている。そして、そのことを強くアピールすべきだ。なぜなら、出品可能であることが、市場に必要以上の負担をかけているからだ。

 マスクには、新型肺炎対策以外にも多数のニーズがある。今後本格化する花粉症の季節に向けて不安を感じている人もいるだろう。また、防塵などを目的とした業務用マスクが新型肺炎対策で購入されてしまい、工事などで必要としている人々が困っている、という話もある。

 各メーカーは安定供給に努力しているが、それでも一定の時間はかかる。その間、転売目的で市場に滞留するのでなく、ちゃんと「必要な人に行き渡る」状態であることが望ましい。

 これに限らず、昨今は「転売」が問題になりがちだ。

 デジタルガジェットに限らず、ヒット商品が出るとそれらは転売対象となる。チケットなどは、2019年6月に「チケット不正転売禁止法」が施行され、興行主などの同意を得ない転売行為が禁止されている。

 こうした転売行為は、すべてが否定できるものでもない。事情があって使えない・行けないことになり、他人に譲りたい……というニーズは確かに存在する。また買う側にも、「多少高くなってもどうしても欲しい、行きたい」というニーズは明確にある。オークション・フリーマーケット型の個人流通がそうしたニーズも満たしているのは事実である。