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主治医は「軽度の依存症があった」と法廷で証言

 検察側の冒頭陳述ののちに、弁護側が所属事務所エイベックスマネジメントの関係者の陳述書を読み上げた。「女優は大きな影響力のある仕事です。今回の事件は自身の立場を理解していない身勝手な行動と言わざるを得ません」としながらも「毎日のようにスタッフが面会し、2度としないとの意思を確認してきました。(沢尻被告は)改めて自分がしてきたことの恐ろしさをかみしめています。当社としてもできる支援を続けたいです」とフォローする内容だった。

 主治医による証言が続いた。

「MDMAやLSDの幻覚剤については、身体的依存は認められません。クラブで騒ぐときに数カ月に1回か年に1回かはわかりませんが、いつも使っているわけではないです」「大麻は仕事や撮影期間は使っていないが、長い休みが取れたときは『ああ使いたいな』と思って使っていた。軽度の依存症があったのではないかと思います」

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沢尻エリカ被告の判決を前に、傍聴整理券を求めて並ぶ人たち(2月6日、東京都千代田区の日比谷公園)©時事通信社

性交の際などに使うケースも多いMDMA

 今回所持していたMDMAは比較的若い世代に蔓延しており、「パーティードラッグ」とも言われる。中枢神経が刺激されて興奮するため性交の際などに使うケースも多いとされている。LSDは強力なものが多く、わずかな摂取量で、物のかたちが変形したり、強力な光が見えたりする幻覚作用を引き起こす。沢尻被告はさまざまなドラッグを用途によって使い分けていた常習者だ。主治医は「スタッフがびっくりするほど」治療に取り組んでいるとした。沢尻被告の兄も一緒に暮らすなどして更生を手伝う旨証言した。

 そして迎えた被告人質問で沢尻被告は「今回このようなことがあり、仕事上の関係者の皆さまには、多大なご迷惑をかけ、申し訳なく思っています。特にマネジメント(会社)であるエイベックスの皆さまは、多方面の皆さまにおわびに行っていただくなど、大変な苦労をかけてしまいました。撮影中の作品に関しても、撮り直しを余儀なくされ、スタッフや、キャストの皆さまには大変な負担をかけてしまいました。経済的にも多大な損害を与えてしまい、誠に申し訳なく思っています」などとよどみなく反省の弁を述べた。冒頭の「幻」発言も弁護人質問に答える形でスラスラと回答していった。