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疑問4 警備員募集に500人が集まったというのは本当か?
半地下家族の家長であるギテクは、2度も商売に失敗した後、まともな職に就いてない。韓国において失業は、大きな社会問題になっている。ギテクも、映画で「警備員1人を募集すると、大卒者など、500人も殺到する時代だ」と家族に語っている。
すでに低成長時代に突入している韓国では、現在若年層の失業がクローズアップされているが、実際もっとも深刻なのは家庭を背負っている中年層の失業だ。韓国では、2020年1月現在、中年の就職率が50ヵ月連続マイナスだ。経済の悪化に伴って製造業などの雇用が減少しており、自営業者もギテクのように倒産の危険に直面している。
職場を失った中年たちにとって警備員は確かに人気職種だ。2019年12月にインターネットの就職斡旋サイトを調べてみると、「月給160万ウォン(約15万円)で1年契約」という条件の警備員1人を募集するのに59人が応募していた。しかも、この中の29人は大学および大学院卒業者だった。
さらに2019年、釜山にある証券博物館で2人の警備員を募集した際には、計553名(大卒以上の者が331人)が応募し、大企業並みの高い競争率となったこともあった。映画で語られた「1人の警備員募集に500人が集まった」というエピソードは十分ありえる話なのだ。