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行くぜ、東北。極寒駅

■青森駅(JR東日本/奥羽本線)

青森駅は雪の中

 かつて、青函連絡船の現役時代は船に乗り継ぐ人で賑わい、連絡船廃止後も青函トンネルを通過する特急列車はすべて青森駅を経由していた。だからそれなりのターミナル感はあったのだけれど、北海道新幹線が開通した今はそれもない。上野発の夜行列車もこごえそうな鴎を見つめる連絡船もなくなり、変わらないのはしんしんと降り続く、ベタ雪だけである。青森駅は、今も雪の中なのだ。

■小国駅(JR東日本/米坂線)

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屋根のないところには新雪が積り

 米沢から山の間を縫うように走って日本海側、羽越本線の坂町駅までを結んでいるローカル線・米坂線。全線単線の路線で、だいたいが小国駅ですれ違いをする。そこで長めの停車時間があって、雪の降り注ぐ山間部の小さな駅を味わうことができる。ホームの端っこ、屋根のないところには新雪が積り、そこを歩けば小国駅に来た証の足跡。と、まあそんな情緒どころか凍てつく寒さに、とっとと車内に戻ってしまうものだけれど。

■十日町駅(JR東日本/飯山線)

駅の構内にもラッセル車が走る

 日本一の豪雪地帯は、北海道でも青森でもなくて、ここ新潟は十日町。毎年2mの積雪は当たり前だとか。本来は長岡市と長野市を結ぶ飯山線も、冬場は十日町~戸狩野沢温泉間で運転を見合わせるのが日常というから、いかに雪が物凄いのかがよくわかる。筆者が訪れた日は、たまたま雪は降っていなかったものの積雪量はご覧のとおりである。だから駅の構内にもラッセル車が走る。線路上に積もった雪を跳ね飛ばすラッセルの躍動感は、雪国の鉄道最大の見所である。

ラッセル!


 いかがだろうか。真夏の灼熱地獄に滝のような汗を流しつつ、こんな雪国の駅の寒さと寂しさを見る。それだけで、なんだか涼しくなった気持ちにならないだろうか。筆者も、この原稿を書きながら訪問時の寒さを思い出し、少しブルブルと震えてしまったくらいだ。あ、それは冷房の効きすぎのせいですか?

写真=鼠入昌史