「マスクからの鼻出し」は絶対NG
しかし周囲を見回すと、そんな貴重なマスクを所持していながら「鼻をマスクから出す」(←無意味)や、「装着したマスクの外側を手で触る」(←逆効果)など、無駄な使い方をしている人もいる。この手の人たちは、ここで考えを改めて、効果的に使うべきだろう。
ちなみに、大谷医師によると、新型コロナウイルスは喉よりも鼻からのほうが多く検出される、とする新しい論文が出たとのこと。ということは、ウイルスを持っている人は咳だけでなく、くしゃみによる“感染させるリスク”もかなり高いことになる。感染者も非感染者も、“マスクからの鼻出し”は厳に慎むべきなのだ。この時期、花粉症のコントロールも重要である。
その上で、「マスクの表面は絶対に触らず、着脱の際は耳にかけるゴムの部分のみを持つようにする」(50代・脳神経外科)という基本をもう一度意識してほしい。
結膜炎が初期症状?
新型コロナウイルスに感染した人の症状としては、発熱、のどの痛み、咳や痰、呼吸器症状などが言われており、中国ではこれに下痢や嘔吐などの消化器症状や、頭痛、全身倦怠感などが出るという報告もある(自覚できる症状がないまま軽快するケースも少なくない)。
そんな中、アメリカでは、新型コロナウイルスの症状の一つとして「結膜炎」の存在を示唆する報告が出た。
結膜とは、瞼の裏側を覆って眼球につながる部分。ここは薄い粘膜で覆われていて、ウイルスや細菌に感染すると炎症を起こすことがある。これが結膜炎だ。アデノウイルスに感染して起きる流行性角結膜炎(はやり目)や「咽頭結膜熱(プール熱)」などが知られているが、新型コロナウイルスに感染した場合にも、この結膜炎を起こす危険性がある、という内容の報告だ。
「初期症状で結膜炎を起こし肺炎など全身に移行する可能性が指摘されています。経路としては飛沫感染やウイルスが付着した手指で目をこするなどのルートで感染すると考えられますが、しっかりとしたエビデンスの報告はないです」
と語るのは、二本松眼科病院の眼科専門医、平松類医師。
目ヤニは手で取らない
現状では新型コロナウイルスと結膜炎を強力に結び付けるエビデンスはないようだが、感染症対策として注意する必要はあるだろう。
対策は従来の結膜炎予防と同じ。洗面所のタオルは共用しない、目を触らない(目ヤニを取る時はティッシュを使う)など。平松医師によると、目に触れる機会が多いほど感染の危険性も高まるので、眼科医にはコンタクトレンズを使う人が少ない、という内輪話をしてくれた。
ちなみに筆者は医師ではないが、目がかゆいときには安い目薬をジャブジャブ使ってかゆみをとっている。そのことを平松医師に伝えると、「ウイルスとは直接の因果関係はないけれど、悪くないですね」との評価だった。
「市販の目薬はなるべく短期間、できれば1カ月以内に使い切るのが理想です。その意味で“ジャブジャブ使う”のはいいことです。できれば塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤が入っていないものだと理想的。防腐剤が入っていないからなおのこと早く使い切る必要が出てきますが」
理にかなう「うがい前のマウスウォッシュ」
今回のアンケートで、「うがいをする」という回答も多かった。19人中9人なので約半数だ。
「出がらしのお茶で頻繁にする」(50代・心臓血管外科)という積極派がいる一方、「しないよりはマシかと……」(40代・腎臓内科)という消極派もいる。
そんな中にこんな回答があった。