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「マウスウォッシュで口をゆすいだあとでうがいをする」(50代、消化器外科)

 前出の大谷医師もこれを推奨する。

「うがいは“二段階”が有効。つまり、最初は口の中をキレイにする“クチュクチュ”っとしたうがいで、次にのどを“ガラガラ”っとさせるうがいをする。その最初のほうをマウスウォッシュで行うというのは理にかなっています」

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松下健二医師

ビタミンDで予防は「アリ」

 国立長寿医療研究センター口腔疾患研究部の松下健二部長も言う。

「理想を言えば、まずはマウスウォッシュでクチュクチュ、次に歯磨き、最後にポビドンヨード(イソジンなど)でのどのガラガラうがい――が最適です。マウスウォッシュの成分はウイルスにはほとんど効果はありません。

 しかし、イソジンは新型コロナウイルスに対してはどうかわかりませんが、一般的に抗ウイルス作用があると考えられているので、仕上げのうがいでイソジンを使うのは意味があることといえるでしょう。ただし、イソジンを使う際にはヨウ素に対する過敏症に気を付けて下さい」

 今回のアンケートの回答では、「飲み会への参加の自粛」は多かったが、「食事」の面での対策を挙げた回答は3件にとどまった。しかし大谷医師は、意外にこの取り組みも「アリ」かもしれないという。

「新型コロナウイルスでのエビデンスはありませんが、インフルエンザウイルスにはビタミンが有効という報告がある。というと、多くの人はビタミンCを思い浮かべるのですが、エビデンスレベルが高いのはじつはビタミンD。ビタミンDのサプリメントでインフルエンザを予防できるとするエビデンスもあるので、新型コロナに対しても摂っておいて損はないでしょう」

「他人に感染させない」という意識が自分を守る

 今回のアンケートで分かったことは、医師の大半が、症状が出ていないだけで、すでに新型コロナウイルスに感染している人が身の回りにいる、ということを前提に生活しているということだ。

新型コロナウイルス対策の基本方針を発表した加藤勝信厚労相(2月25日) ©AFLO

「症状のない感染者がそこら中にいて、ウイルスをばら撒いている、という前提に立つべき。そうである以上、特に医療機関に勤務する者は、“自分が感染しない”ではなく“弱者に感染させない”という意識を持つべき」(50代・肝胆膵外科)

 そして、すでに自分が感染しているかもしれない、という前提に立って、「自分から感染させない」と考えれば、自ずと感染予防につながっていくのかもしれない。