小泉進次郎環境相が取得を宣言して話題となった「男性育休」。小泉大臣の場合は、時短やテレワークを利用しながら、3か月の間で2週間程度育休をとる「半育休」というかたちだった。
「大臣という立場にありながら休むのは無責任だ」という意見や、「育休といっても中途半端でなんだかわかりにくい、普通の会社員はこんなかたちでとれない」という疑問も出る一方、「どんなかたちでもトップが率先してとることが重要」という反応もあるなど、賛否両論、さまざまな声が聞こえてくる。
「夜だけ育休」を実現した西尾市長
小泉大臣の育休は今年1月からだが、昨年11月、12月と2か月間の「男性育休」をとったのが、愛知県西尾市の中村健市長。中村市長は小泉大臣と同世代の40歳。小泉大臣も同様だが、市長は特別職の公務員なので、決められた勤務時間はなく、残業や休日出勤もない。もちろん、「育児休業」に関する制度もないので、中村市長の場合、午後6時以降の公務を行なわず、帰宅して育児や家事にあたる「夜だけ育休」というかたちをとった。
組織のトップがとる「男性育休」の先輩として小泉大臣の育休を中村市長はどう見ているのだろうか。
「大臣という影響力のある立場の人が育休を取ることの意義は大きいと思います。賛否両論ありますが、私自身は今回の決断を支持し、素直に賛辞を送りたいと思います。
育休の取り方については、職場環境や家庭環境によって最適といえる形が異なると思うので、良いとか悪いという評価を当事者でない人間がする必要はないと考えます。
先例がない中で新たな一歩を踏み出したということが大事です。育休の取り方が先例となる必要はなく、賛否ある中で勇気を持って決断したことが今後の男性育休に与える影響は、決して小さくないと思います」