今日も今日とて通勤電車は過酷である。
何が過酷かというと、ひとつはご存じ満員電車。何事にも慣れはあるというけれど、ギュウギュウ詰めの満員電車の苦痛はいかに毎日乗ろうとも慣れることはない。そして過酷さにさらに拍車をかけるのは、ほとんど連日の“遅延”だ。体をねじらせながら赤の他人と密着しつつ、どうにかこうにかギュウ詰めをやりすごそうとしたところで、突如電車が停まって「非常停止ボタンが使われましたので……」などの車内放送。想像しただけでも絶望的な気分になってくる。人でぎっしりの満員電車はリスクも高いから、時節柄出来れば避けたいという向きも多いだろう。
「混雑率」のワースト10は?
では、首都圏の通勤路線の中で、どれが特にキツいのか。国交省が昨年発表した鉄道路線の混雑率と今年2月10日に発表した「東京圏の鉄道路線の遅延『見える化』」のデータから、“最もツラい通勤電車”はどこなのかを探ってみることにしよう。参照したデータはいずれも2018年度のものだ。
まずは「混雑率」のワースト10は次の通り。
このところ長年にわたって首都圏の(というか日本の)混雑率トップの座を守り続けるのが東京メトロ東西線。千葉西部から東京東部を経て都心にやってくる路線の混雑ぶりは3位に総武線各駅停車、10位に総武線快速がランクインしていることからもよくわかる。
また、何かと注目の武蔵小杉付近も混雑の中心地。横須賀線の武蔵小杉~西大井間の数値には湘南新宿ラインの混雑も含まれていると思われ、つまりは混雑率184%の南武線で武蔵小杉までやってきて、197%の横須賀線(湘南新宿ライン)に乗り継ぐ人が相当多いということだろう。
ちなみに、混雑率の目安として国交省では200%を「体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める」としている。実感としては週刊誌どころかまっすぐ立っているのも難しいほどじゃないかと思うんですけどね……。