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JR京浜東北線の“ナゾの終着駅”「大船」には何がある?――日本初のサンドイッチ駅弁とは

2020/02/03

 神奈川県に大船という駅がある。東海道線の駅のひとつだから聞いたことがある人も少なくないだろう。そして京浜東北線の南行に乗ろうとすると、「大船行」という行き先で現れることでもおなじみである。では、いったいどんな駅なのか。

 先日、大船駅に関して友人からあることを言われた。

JR京浜東北線の終着駅「大船」には何がある?

「大船って、大宮と見間違えるんだよね」

「大船行ってあるけど、一見大宮と見間違えるんだよね。で、一度だけ間違えて乗ったこともあるんだ」

 ホントなのかとツッコみたくなる話だったが、品川駅の京浜東北線のりばに立ってみたら、たしかに大船行と大宮行がそれぞれ対面のホームから交互に出発してゆく。「大」の文字が共通しているから首都圏の地理に不案内で乗りなれていない人だと、ついうっかり乗り間違えてしまうのもわからなくはない。そして、大宮駅と大船駅でいえば、大船駅は実にナゾの多い駅なのである。

 大宮駅だったら新幹線も停まるし埼玉県を代表するターミナルだから地方出身者でもわかるだろう。ただ大船駅となるとそうはいかない。京浜東北線の行き先、すなわち終着駅であることくらいしかわからない。東海道線の駅のひとつだといっても、例えば藤沢とか小田原とかを目指すときにはウトウトしているうちに通り過ぎてしまうから、大船駅の存在を感じることもない。それでいて、京浜東北線に乗るときに決まって目にする駅名なのだから気になってしまうのだ。

 というわけで、今回は大船駅を訪れることにした。品川駅から京浜東北線の大船行に乗って約1時間。ただ、正確には大船駅は京浜東北線の駅ではなく、直通している根岸線の終着駅である。根岸線は横浜~大船間を結んでいる路線で、桜木町や関内、磯子などを経て海岸寄りをぐるりと回って大船に向かう。

品川駅から大船駅までは約1時間
今回の路線図(水色)。横浜から大船までは、桜木町や関内、磯子などを経て海岸寄りをぐるりと回る

 じつは同じ区間を東海道線も走っているが、こちらは一目散に大船方面を目指すので所要時間は品川からでも35分ほど。京浜東北線で大船に向かうのは実に効率が悪いのだ。が、まあ今回は京浜東北線の終着駅、というテーマなのでのんびり京浜東北線に乗っていくことにする。

 そうして品川から1時間。横浜からの根岸線区間ともなるとだいぶお客も少なくなって、ようやく大船駅についた。階段を登ってコンコースに出ると……いやはや「ナゾの終着駅」扱いをしてしまってスミマセン。