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新サービス「NHKプラス」は放送を“テレビの前”から解放する【使い勝手を徹底解説】

新サービス「NHKプラス」は放送を“テレビの前”から解放する【使い勝手を徹底解説】

「朝ドラ」「大河」も見逃し再生可能。SNSでシェアも可能

2020/03/02

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, テレビ・ラジオ, 社会

note

番組ごとにSNSで共有ができる

 また、こうした仕組みが採用されたことで、テレビ番組にはすべて「固有のアドレス」が作られる。YouTubeでは、アドレスをシェアすれば動画の存在を誰にでも知らしめることができる。例えば、以下のアドレスは、2月29日18時からの、安倍首相の会見の放送のものだ。(3月7日まで有効)

https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2020022909263?t=2

 アプリにも「共有」機能が用意され、気になった番組を、最初からでも途中からでもシェアできる。共有機能はTVerにもあるが、リアルタイム視聴や追いかけ視聴が可能なNHKプラスの方が有用で、使い勝手もいい。

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番組を共有する機能が備わっており、SNSやメッセージングアプリなどから他人に伝えることも可能。ただし、視聴可能な期間は、見逃し視聴が行われている間に限られる。

 NHKプラスはスマホ・PC向けで、「テレビを見なくなった若者向け」と言われることが多い。事実そうだろう。だが、その意味は「若者だけ」ということではない。

 テレビ放送は、基本的にテレビのまえにいなければ視聴できなかった。そういうものだ、と我々は思い込んでいた。

 だが現在はそうではない。地震や大きなニュースがあると、テレビ局は競ってスマホ上でも配信を行う。個室にはテレビがないことも多いし、「テレビをもっていない家庭」もある。移動中はテレビを持っていない。ワンセグ機能のないスマホを使っている人も増えている。

 我々はどんどん「テレビの前」にいなくなっている。テレビの前にいない人にも「テレビ番組」との接触機会を増やし、見てもらい、必要ならばテレビの前に来てもらう。それが、NHKプラスの狙いだ。

 だから、テレビ番組を電子番組表(EPG)の順に並べて見せたり、ドラマや子供番組、ニュース特集などのジャンルごとにわけて見せて見つかりやすくしたり、といった機能も用意されている。良くも悪くも、テレビ局は日本最大の「映像コンテンツ製造システム」だ。その価値を最大化するには、ネット配信を活用するしかない。

 こうしたことは、「見逃しだけ」とはいえTVerではできていたし、そもそも海外では、テレビ局がもつあたりまえの機能になっている。日本が遅れていたのだ。