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「26度の湯で新型コロナ予防」にだまされた? 医師が教える、デマを見分ける5つのコツ

放射線科医・医療ジャーナリストの松村むつみ氏が解説

2020/03/12

 新型コロナウイルス感染症に関して、国内でも経路のわからない感染が増え、不安が広がっている。それとともに、デマや偏った情報も飛び交うようになった。

 WHOのテドロス事務局長は、2月15日のミュンヘンでの会議において、「われわれの戦いはエピデミックだけではなく、インフォデミックとの戦いでもある」とアナウンスしたが、「インフォデミック」とは、デマなどの誤った情報が爆発的に伝播することだ。WHOは、「デマが伝播する速度はウイルス感染よりも速く、より危険だ」と、警戒する

感染対策を行う韓国の病院の様子 ©iStock.com

 日本でも、「お湯を飲んでコロナ予防」「生姜がコロナ予防に効く」「花崗岩が免疫力を高める」などのデマがSNSを通じて拡散した。また、「トイレットペーパーが品薄になる」というデマにより買い占めが起き、全国のドラッグストアからトイレットペーパーが消えた。

 現在、日本の新型コロナウイルス感染による患者数は3月10日時点で無症状者を含め514名、死者9名(ダイヤモンドプリンセス号における感染者数は696名、死者7名。3月9日時点、厚生労働省)だ。

 検査体制の不十分さにより、実際の感染者数はもっと多いことが示唆されるとはいえ、ほとんど報道されない今シーズンのインフルエンザ罹患者数は700万人弱。予防接種や治療薬もあるインフルエンザと単純比較することはできないが、コロナウイルスによる実際の健康被害よりも、誤情報や報道により引き起こされる不安の影響は大きいのではないか。

 人は不安になると、こうあって欲しいという情報に安易にとびついてしまうので、注意が必要だ。では、必要以上に不安や恐怖を煽られることなく冷静に過ごすにはどうすればいいのか。

 わたしは医師で、医療全般について、一般の方に知っていただくべく医療執筆も行っているが、今回の新型コロナウイルス肺炎に関しても、情報発信を行ってきた。誤情報や偏った情報には、共通した特徴がある。これは新型コロナウイルス感染症のみではなく、癌など他の疾患にまつわる情報にも共通している。