文春オンライン

「近所の高校生がハマりすぎてバイト転身」京急線沿い“立ちそばの名店”がスゴい

2020/03/17
note

オリジナル「そばがきコロッケ」とはどんなメニュー?

 さて、「そばがきコロッケ」である。少し変わったそば屋らしいつまみが欲しかったそうで、独自に考案したそうだ。作り方は至ってシンプル。そばがきを少し軟らかめに作って、そこにミックスベジタブルを併せる。それにパン粉をまぶして揚げたもので、温かいつゆに入って登場する。箸で割ってひとくち食べると、そばの香りとつゆの味が広がっていく。こういう工夫を凝らしたメニューは本当に嬉しいものである。

「そばがきコロッケ」は100円と大サービス
一緒に行ったそばの達人が頼んだ「紅しょうが天そば」と「もりそば」も旨い

「FUJI ROCK FESTIVALにそば屋の屋台を出したい」

 なぜ中村さんは手打ちの立ち食いそば屋をやろうと思ったのだろうか。尋ねてみるとまた深い答えが返ってきた。

 中村英司さんは北海道出身。北海道ではそばは高級な食べ物というよりは、家族連れが日常的に食べる大衆的なもの。小さい時からそばが大好きでよく食べていたそうで、「そばに対していい思い出があるのでしょうね」と中村さんはつぶやいた。

ADVERTISEMENT

 東京に来てもそばが好きで、そば屋でバイトもしていたそうだ。そして、いつも「東京のそばは値段が高いなあ」という印象があったという。

 そして、ある時、「手打ちそばで安いそばを提供できれば人気になるのでは」と考えついたという。そこで、中野にある老舗そば店で修業して「うちば」を開業したというわけである。

店主の中村英司さん(42歳)は熱い男だ

 中村さんの将来の夢は「唐突ですが、FUJI ROCK FESTIVALに手打ちそば屋の屋台を出すこと」だそうである。