千代田区――アトムは、お茶の水小学校の生徒
千代田区は3種類、1枚ずつだ。手塚治虫の代表作のひとつ「鉄腕アトム」のキャラクター「アトム」「ウラン」「お茶の水博士」がマンホール蓋になった。
アトムは、お茶の水小学校の生徒という設定なので、お茶の水博士と合わせてお茶の水地域に設置したそうだ。
手塚治虫のマンホール蓋は意外にも今までなかった
ところで、お茶の水博士の近くのコンクリート蓋に注目した。
蓋のまわりの路面の模様を描いている。忍法かくれ身の術のようだ。蓋の存在を目立たなくするためのデザインだ。路面と蓋を調和させるために格子の模様を描いている。これだってデザインマンホール蓋といえば、デザインマンホール蓋だ。意図してない分、用の美のようなものも生まれていると思う。
開けた後、戻すときにズレてしまった蓋も、それはそれで愛おしい。
マンガキャラクターのマンホール蓋はたくさんあるが、巨匠、手塚治虫のキャラクターを使ったマンホール蓋は意外にも今までなかった。千代田区がはじめてだ。すごいぞ、千代田区。なお、タッチの差で手塚治虫の代表作のひとつ「火の鳥」の蓋が2020年3月20日に愛媛県松山市の道後温泉本館前に設置される。おしかった松山市。
のらくろの時に北区と江東区の事を心配したが、アトムはアトムで新宿区の高田馬場を心配せざるを得ない。高田馬場は手塚プロダクションがある関係で、かなりがんばっている。駅の発車メロディや壁画、アトム通貨などをつくっている。マンホール蓋もつくりたかったんじゃないかと思う。トキワ荘のあった豊島区のことも心配になる。
巨匠、手塚治虫となると関係している地域・自治体が多くて、何だか無駄な心配をしてしまう。
マンホールカード配布場所
千代田区観光案内所(東京都千代田区九段南1-6-17)
配布時間:10時~18時(第4日曜、年末年始 お休み)
葛飾区――「こち亀」や「キャプ翼」ではなく……
今回の事業で新しく設置された蓋ではないが、スタンプラリー対象蓋なので、あわせて紹介する。
モンチッチを生んだ株式会社セキグチ本社が新小岩にある縁で生まれた蓋だ。
2017年6月から設置されている。モンチッチ蓋のマンホールカードは特別版ではなく通常版だ。
葛飾区は、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」や「キャプテン翼」の銅像を沢山つくっているのだから、そのキャラ達のマンホール蓋も作れば良いと思う。観光資源として相乗効果が期待できる。
マンホールカード配布場所
柴又観光案内所(東京都葛飾区柴又7-1-5)
配布時間:9時30分~16時30分(年中無休)
ここまでの所要時間は……
交通機関の混雑をさけるため10時に開始、夕暮れまでの約8時間でここまで巡った。蓋の平均掃除・磨く時間は1枚当たり約5分。路上観察で脱線したり、ランチしたりの、のんびりモード。
北区の清野とおる蓋が良かった。参加できる蓋、というのがしみじみ良い。新しいアイデアを解説できてマンホール蓋研究家冥利にもつきる。足立区は、永遠に足立区であれと思った。数で勝負の足立区だ。東半分、悪くない。充実した一日でした。
つづく東京都23区の西半分は杉並区、世田谷区、渋谷区、品川区だ。いやぁ困った。まだまだあるぞ、すごいぞ東京。しかも23区だけでなく多摩地区もある。困った。困った。はやく全部、見に行かなきゃ。
後編「東京都の新デザインマンホール蓋をすべて回ってみた/23区西部編」へ続く
写真撮影=竹内正則