デザインマンホール蓋が注目されていて、各地でマンホール蓋をめぐる観光振興が話題を集めている。東京都のみならず全国でマンホール蓋を活用していく事業がはじまっている。“マンホーラー”の一人として、とても嬉しい。
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いつの間にか観光資源となっていった
1977年に沖縄鋳鉄工業株式会社がつくったマンホール蓋が、今につながるデザインマンホールの始まりと言われている。
1980年代後半に当時の建設省公共下水道課が、下水道のイメージアップと市民アピールのために、それぞれの自治体が独自のオリジナルデザインマンホール蓋にすることを提唱した。以降、デザインマンホール蓋は増えていった。
下水道のイメージアップと市民アピールという広報のためにつくられてきたデザインマンホール蓋が、いつの間にか観光資源となっていったのは、デザイン性とオリジナリティの高さにある。下水道広報を超えて価値が認められていった。
ここでは「東京都 デザインマンホール蓋設置・活用等推進事業」で設置された東京都23区の西半分――杉並区、世田谷区、渋谷区、品川区のマンホール蓋を紹介したい。品川区は東半分で紹介した葛飾区と同じようにスタンプラリーのみ参加している。
※現在、新型コロナウイルスの影響でマンホールカードの配布は延期となっています。3月24日現在、配布時期は未定です。
杉並区――キャラクターたちが阿波おどり
杉並区も足立区ばりにがんばっている。5種類5枚作った。高円寺(2枚)、阿佐ヶ谷(2枚)、荻窪(1枚)に設置した。杉並区公式アニメキャラクターの「なみすけ」・「ナミー」・「なみきおじさん」を利用している。
間違ってはいないと思うが……
杉並区では、蓋の上にデザイン画像を貼っている。足立区と同じだ。マンホールとしてのオリジナリティは低い。マニアに向けて作っているわけではないので、間違ってはいないとは思うが、マンホール蓋に注目して、その魅力を語ってきた者としてはさみしさを感じる。