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デザイン画像を貼っただけの蓋は耐久性が低い

 杉並区には「すぎなみ知る区ロード」という名所旧跡や公園、区の施設などを回遊するルートがある。全長約36キロメートルの路上にはキャラクターを使った案内標と側溝蓋が設置されている。

 

 この側溝蓋に描かれているキャラクターは、路上観察家として有名なデザイナー林丈二がデザインした「すぎまる」だ。1989年に作ったデザイン蓋で古いものだが、こちらの方が蓋としてオリジナリティがある。はるかに魅力的だ。

 足立区の蓋でも紹介したが、デザイン画像を貼っただけの蓋はデザイン表面の耐久性が低い。全面鋳物で作られたデザインマンホール蓋よりも耐久性の低いものを観光資源にするのは、一過性のように感じられて悲しい。デザイン画像を貼っただけの蓋には、簡便で安い、交換しやすいといったメリットがあるのだから、短期間のイベント向けなど、特徴を生かした適材適所の使い方をすれば良いと思う。

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マンホールカード配布場所

杉並区役所1Fコミュかるショップ(東京都杉並区阿佐谷南1-15-1)

配布時間:9時~16時30分(土曜、日曜、祝日、年末年始もおそらく お休み)

土日祝日は杉並区立産業商工会館で配布予定

世田谷区――街の風景価値がぐんと上がっている

 世田谷区はいい仕事をした。5種類5枚のマンホールを作った。すべて小田急線の祖師ヶ谷大蔵駅にあるウルトラマン商店街に設置されている。

世田谷区 ウルトラマン蓋(スタンプラリー対象)(マンホールカード特別版)
祖師ヶ谷大蔵駅前 線路ガード下
住所:東京都世田谷区砧8-10
ウルトラセブン蓋(スタンプラリー対象)
祖師ヶ谷大蔵駅前 線路ガード下
住所:東京都世田谷区砧8-10

 祖師ヶ谷大蔵に円谷プロダクションがあった縁で、ウルトラマン商店街ができた。街灯や案内板、商店街ゲートなどいたるところにウルトラマン関係のデザインがあふれている。工夫にあふれている楽しい商店街だ。マンホール蓋が追加されたことで、さらに街の魅力が向上した。

 蓋のデザインが秀逸で、街の風景価値がぐんと上がっている。夕暮れ時に撮影すると絵になる。

番組のオープニング映像を再現した

 すべり防止の機能と美しさをどのように両立させるのか、そこがデザインマンホール蓋のデザイナーの腕の見せ所だ。余白をなるべく減らし、まんべんなく沢山の突起で構成すると、すべり防止の機能が高くなる。それでいて美しいデザインにしようと工夫をする。その工夫を見るのが楽しい。世田谷区のマンホール蓋は、すべり防止の機能をほとんど無視している。

 このデザインが番組のオープニング映像を再現したものだからだ。ビビッドな単色カラーを背景に、シンプルなシルエットで怪獣やウルトラマンが現れる演出になっている。余白も大きく、シンプルで力強い印象的な映像だ。マンホール蓋を観察してみると、オープニング映像の再現度が高く美しい。

世田谷区 カネゴン蓋(スタンプラリー対象)
祖師ヶ谷大蔵駅すぐ きらぼし銀行祖師谷支店前
住所:東京都世田谷区砧8-10

 すべり防止の機能が低くなっても、印象的な映像の再現度を高くするほうを選んだのだ。特徴がありオリジナリティが高い。デザイナーの卓越したセンスと、それを良しとした商店街、世田谷区の担当者の見識の高さは賞賛に値する。