つくづく良い仕事をしている
なお、周囲には枠のようなデザインがある。丸と波線がつながっている模様は、東京都ゆかりのデザインだ。波線部分が東京都の鳥「ゆりかもめ」を意匠化したものになっている。他の蓋にも採用されている共通のデザインだ。
その外側、色で構成されている部分は世田谷区のオリジナルデザインだ。番組オープニングのシーンでは「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」とタイトルロゴが出てくる。その背景の渦デザインを表現しているように見える。公式には何も発表されていないが、そうだとすれば意味の深いデザインで秀逸だ。
マンホール蓋が滑るのは、路面と蓋の摩擦係数に差があるからだ。蓋の周囲のデザインを細かくすることは、路面と近接している場所の摩擦係数を少しでも路面に近づけようとしているデザイナーの工夫でもある。つくづく良い仕事をしている。
鋳物の表面が若干荒れているようにも見えるが、すべり止めのために意図的にしているのか、単純な技術的な問題なのかは分からない。左側の表面がより荒れているようなので技術的な問題かもしれない。たとえば、鋳物を作るときに溶けた鉄を右側からいれているとしたら、温度の下がる左側は荒れやすいのかもしれない。
マンホールカード配布場所
三軒茶屋観光案内所(東京都世田谷区太子堂4-1-1)
配布時間:10時~18時(12/29~1/3 お休み)
渋谷区――60センチの蓋に最適化された印象的なデザイン
渋谷区は6種類9枚。かなりの力作だ。マンガ家、羽海野チカの作品「3月のライオン」のキャラクターが蓋になっている。将棋会館のある千駄ヶ谷にすべて設置されている。
60センチの蓋に最適化された印象的なデザインだ。同じデザインを40センチにしたり90センチにしたら、細かすぎたり緩慢になってしまう。このサイズにぴったり合わせた完成度の高いマンホールだ。色指定も絶妙で美しい。鋳物工場に常備しているカラー樹脂の色以外も使っている。髪の毛の表現や、その色の配置にデザイン力の高さを感じる。