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 それぞれに副作用があり、高齢者では抗ヒスタミン薬の副作用でおしっこが出なくなる「尿閉」や、眼圧が高くなって目が痛くなる「緑内障発作」を起こす人がいます。また、カフェインに敏感な人では、一緒にコーヒーやお茶を飲むと濃度が高まり、不安発作を起こすリスクがあります。そもそも総合感冒薬は、複数の種類の薬を一度に飲むことになるので、「実は侮れない薬なのだ」と話す医師もいました。

アセトアミノフェンにもリスクはある

 通常の風邪やインフルエンザもそうですが、持病がなく普段健康な人ならたいていは、薬を飲まなくても数日で熱が下がり、自然に治っていきます。熱、鼻水、せきなど不快な症状をどうしても取りたいというなら薬を使うことは否定しませんが、飲むとしても副作用のリスクもあることは知っておいたほうがいいでしょう。

 また、薬で熱が平熱に戻り、症状が消えたとしても、完全に治ったとは限りません。もし新型コロナウイルスで発熱していたのに、薬を飲んだことで「治った」と勘違いして買い物や仕事に出かけたら、まわりの人に感染を拡大させてしまう危険性があります。

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 ですから、37.5℃以上の熱が4日以上続く、強いだるさ、息苦しさがあるなど、疑わしい症状があったら、自己判断で薬を飲み続けたりせず、まずはかかりつけ医や帰国者・接触者相談センターに電話で相談することをお勧めします。

 それから、アセトアミノフェンにも肝障害のリスクがあります。比較的安全だからといっても、漫然と飲み続けるのはやはり危険なので、用法用量を守るとともに、症状が続く場合には医師に相談をしてください。くれぐれもアセトアミノフェンがいいからと聞いて、ドラッグストアでの買いだめなどは、絶対にしないでください。急に必要になる人がいるかもしれないからです。多くの人の安心のためにも、必要な薬がドラッグストアの棚にいつもあることは、とても大切なことだと思います。