しっかり睡眠をとっているはずなのに、仕事や勉強中に眠くなってしまう経験は、誰にでもあることでしょう。「おかしいな、どうしてこんなに眠いんだろう」とあなたが感じているその眠気、もしかすると空気中の「二酸化炭素濃度」のせいかもしれません。
仕事中に眠くなるのは「部屋の換気を怠っている」から?
空気中の二酸化炭素濃度が高くなってくると、人は眠気を感じるようになります。二酸化炭素濃度は「ppm」という単位で表されますが、おおよそ1000ppmを超えたあたりで、てきめんに眠気が襲ってきます。6~8畳程度の部屋の場合、換気を終えた状態で作業を開始して、完全に部屋を閉め切ったままだと、ものの1~2時間でこの1000ppmに到達します。
窓を開けたり扉を開放すればすぐに元の値に戻りますが、そのままにしているとppmは上昇を続け、1500、さらには2000へとぐんぐん上昇していきます。ここまで来ると、単に眠くなるだけではなく、息苦しさを感じるほか、人によっては酸素不足で頭痛まで起こりやすくなります。
つまり眠気を感じるのは、寝不足でもなければ集中力の欠如でもなく、はたまた花粉の影響でもなく、部屋の換気を怠っているからという可能性があるわけです。今回はそんな部屋の換気不足を手軽に測定できるCO2チェッカー「CO2-mini」を試しつつ、この二酸化炭素濃度と眠気の関係について紹介します。
法令にも明記されている「二酸化炭素濃度は1000ppm以下」
この「二酸化炭素濃度は1000ppm以下を維持するべし」というのは、実はさまざまな法令にも明記されています。
例えば労働安全衛生法では、労働者が執務する事務所、つまりオフィスにおいて、CO2含有率は空調設備によって調整可能な場合、1000ppm以下にするよう定められています。このほか、建築物衛生法や建築基準法にも類似の規定があり、その基準は同じく1000ppm以下となっています。
本来この1000ppm以下というのは、エアコンなどの空調設備によって維持されるべきなのですが、オフィスの構造などによってはピンポイントでこれを超えてしまっている可能性があるほか、自宅でのテレワークなどでは、少し換気を怠るだけで、あっという間に1000ppmを超えてしまいます。
今回紹介する「CO2-mini」は、そうした空気中の二酸化炭素濃度をチェックできるツールです。スティックタイプのボディには液晶ウインドウがあり、そこには二酸化炭素濃度(ppm)と温度(℃)が交互に表示されます。ppmの濃度に合わせて3段階のLEDで表示されますので、これを見れば部屋の換気が必要かどうか、一目瞭然というわけです。