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2020/03/27

「セクハラ」は自立してない女の言うこと

常井 陰では「河井案里って、いろんな意味ですごいやつだ」みたいに言われている。

河井 私は29歳で県会議員になった時から思っていたのが、先輩も自分も序列を作るというのは有権者に申し訳ないと思ったわけです。私に1票投じた人の価値を下げちゃいけないと思っていて、対等でなくちゃいけない。常に「自分が知事だったらこの時どう考えるか」と心掛けて仕事をしていたので、言いたいことを言うわけですよ。だから、「ほんとに生意気だ」って思われてたと思うよ。

常井 地元の衆院広島3区で、かつて克行さんと議席を争った塩村文夏さん(現参院議員、東京選挙区選出)って、まさに、自民党男性議員の古い体質との対立構図を東京都議時代に作られた方じゃないですか。議場で「子ども産めないのか」「早く結婚しろ」と言われても戦った。案里さんも、それと似た思いを持ってきたんですか?

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河井 私は彼女のやり方というのはちょっと古いと思っていてね。それ(「セクハラ」)ってやっぱり自立してない女の言うことだと思っているんです。男性議員の恐ろしさっていうのは、そういう恐ろしさじゃないんですよ。

常井 どういう恐ろしさなんですか?

「子どものつくり方を教えてやろうか」をユーモアだと思っている

河井 それは、今回の(参議院)選挙でもそうだけど、男の人というのは束になってかかって、つぶしにかかってくるんです。その恐ろしさを味わう女性議員というのはそこまでいない。

常井 「束になって」って、具体的に何をされるんですか?

河井 本当に政治的な、社会的生命をつぶすというぐらいの感じで。

常井 怪文書をバラ撒くとかそういう?

河井 いやいや、とにかくもう、ギリギリつぶしにかかるんですよ。今回の選挙でも、票を1票も回さないとかあったけどね。自民党県連から1票も。

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常井 嫌な世界ですね、それは。

河井 でも、それはやっぱり男の人の権力闘争のやり方なんですね。だから、セクハラとか甘い甘い。まだ、かわいいもんですよ。「5歳児がなんか言ってるね、ハイハイ」ぐらいの感じで、「わかった、わかった、うん、そうね」ってニコニコしていればいい話で、そんなムキになって戦うような話じゃない。

常井 最近では、「票ハラ」(※女性候補者に対する投票をめぐる有権者からのいやがらせ)という言葉もありますけど。

河井 もう日常茶飯事だから、流しておけばいい。もっと恐ろしいことがいっぱいあるんですよ。

常井 案里さんはそれに耐えた?

河井 バカバカしいと思うよ。別に相手もそんなに悪意があって言ってるわけじゃないんですよ。それが、ユーモアだと思って言ってる。「子どものつくり方を俺が教えてやろうか」とかいろいろ言われるわけだけど、「アハッ」とかいって、「でも、私より主人に教えてやって」とかって(笑)。「それ、ユーモアじゃないんだけどな」と思いながら、「ハイハイ」って。