政治は権力だから、何があってもしょうがないですよ
常井 ユーモアって流していいんですか?
河井 そういう感じですよ。そんなの、いちいち相手にできないですよ。
常井 なるほど。そこらへんのことは、克行さんからのアドバイスをうけないんですか?
河井 たぶん男、女って関係ないと思うんです。本当にこれは政治闘争なので、男性政治家は日常的に味わっているようなことだろうし。
常井 克行さんも広島県連の中で厳しい立場にずっと?
河井 そうね。だって、派閥が違うもん(※自民党広島県連の主流派は、岸田文雄衆院議員を始めとする宏池会に属している)。で、私も違うしね。
常井 克行さんは平成研(平成研究会のこと。通称「竹下派」)だったんですよね。案里さんは?
河井 私は二階派に入ります。やっぱり政治は権力だから、何があってもしょうがないですよ。そんなことでグダグダ言ってちゃいけないわけで。文句があったらそれを奪い返すぐらいのことをしないといけない。
常井 当選後、派閥のボスである二階俊博さんからは何かアドバイスされましたか?
河井 (参院議員の任期は6年だが、)「3年おきに自分の選挙があるつもりでやれ」と先輩から言われているんです。という話を昨日、二階幹事長にしたら、「3年じゃダメ。2年おきだ」って。
常井 なるほど。でも、どうして二階派なんですか?
河井 やっぱりすごい政治家の元で勉強がしたいんですよね。
常井 ふーん。二階さんは、衆院選でも自民党の現職と新人を同じ選挙区で競わせて勝った方が総支部長になれるという、かつての中選挙区制の発想を持っている。
河井 そもそもは、広島県で2人立てるということ自体があり得ない話だったんですよね。私の公認決定から、とにかく最初の段階から道筋を付けていただいているので。やっぱり幹事長は戦う方じゃないですか。二階先生という方は政治家としてすごい方ですよ。
政治は厳しい仕事ですよ。愚痴を言うべきじゃない
常井 でも、案里さんが当選して2週間ぐらい経ちますが、どうですか? さっき、「束になってかかってきた男たち」と言った、自民党広島県連や宏池会に所属する政治家の目線は。
河井 どうだろう……。まあ、自民党はオトナの政党ですからね。
常井 「オトナの政党」。なんか含意がある。
河井 (笑)。それは、それは、政治は厳しい仕事ですよ。愚痴を言うべきじゃないと私は思っている。今回の選挙でも、本人のいないところで、結構やられたんだけど、その人の悪口を言ったりするのはすごく嫌なのね。私は面と向かって言うタイプなんです。
常井 なるほど。選挙戦の中で、例えば演説で「河井克行」という夫の名前を出した時ってあったんですか?
河井 ありません。
常井 これは県議時代や広島県知事選に出た時にも?
河井 ないです。
常井 どうしてですか?
河井 だって、違う人間だし。むしろ、それをどうやって乗り越えていくかということのほうが、おそらく私のような立場だから。