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「うちは観光客には左右されない」
「つるや」は売り上げ的にはそれほど落ち込みはないそうだ。
「うちはもともと地元相手なので、観光客やインバウンドには左右されないのでしょうね。ただコロナはこれからどうなるのか心配です」
「つるや」は一言でいうと、世相に左右されないで粛々と経営してきた地元に根付いている大衆的老舗店といえる。高い天井、そして、小上がりもある歴史を感じる内装。お品書きも渋い。歴史を十分感じることのできる店である。
昭和の戦後復興期は、出前が中心で従業員を数名雇って繁盛していた。その当時から、浅草の地元民や旦那衆が日常的に使っていた蕎麦屋である。
そして、バブル崩壊。浅草は人が減り、シャッター通りと揶揄されるような寂しい街並みになった。それでも「つるや」は地元に寄り添って営業を続けた。近年のインバウンド好景気でも、意気込んで外国人を呼び込むこともなかった。
4代目店主の「変化球」
さて、明るい話題に変えよう。4代目店主はただ粛々と経営しているだけではない。地元民にも愛される新しいメニューの開発にも余念がない。渋いお品書きの下に、新しいメニューが掲げられている。その中に「カレーそば」の変化球がちらほら。
昨年は、「カオソイ風のカレーそば」(800円)を夏季期間限定で発売して人気を博したそうだ。カレーそばの上に揚げたそば、温玉がのる。青唐辛子とニラの醤油漬け、レモンを添える。今年も販売するかもしれないという。
今は「ちーずのせカレーそば」(850円)が人気だという。