文春オンライン

コロナウイルス騒動だから家族や職場で語りたい、語り継ぎたいトピックス

世界が綺麗事を守れなくなり、むき出しの美しさを示すとき

2020/03/30
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 去年の暮れぐらいまでは、世界が豊かで輝いていたように見えていたんですけどねえ。

 なんでしょう、この感染症の恐怖の前に、いままでの建前や綺麗事が豪快にぶっ壊れていくシーンは。

 国会では、NEWSポストセブンが報じた「安倍昭恵さんが芸能人呼んでお花見パーティー」記事が炸裂して大混乱に陥り、文春でもスクープ掲載した相澤冬樹氏による記事「森友自殺〈財務省〉職員遺書」の全文公開も爆発して、実に大変なことになっています。

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「お肉でも食べてこいや」と言い放つ政府

 過去最大の102兆6,580億円の2020年度予算が成立する一方、目の前の経済が崩壊している日本人への救済策について、いまなお現金給付をどうするのかで政権内で揉めています。一部の報道では「お肉券」や「お魚券」のような商品券配布プランが飛び出し、さらには「旅行券」まで配ろうかという始末で、なんでしょう、この露骨な昭和風味の利権争いは。

 いま目の前の仕事がなくなったり先が危ういフリーランスや契約社員さんなど非正規雇用者の皆さんが困っているのは、直面する失業や生活費の工面ですよね。そういう仕事がなくなる人たちに対して、「おう、仕事なくなるのか。お肉でも食べてこいや」と政府が言い放つに等しい事例だと思うんですよね。

©iStock.com

 ましてや、旅行券とか言って、この外出禁止の要請も出ているところでどこに行くんだよ。私もこの2週間ずっと出張していましたが、新幹線も飛行機もガラガラで、1車両貸し切りぐらいの勢いで人が移動していません。

 週末に総理の安倍晋三さんが記者会見やるというので「おっ、いよいよ緊急事態宣言か」と思いきや、リーマンショック時以上の財政出動やるからお前らチェキラ☆みたいな内容でした。まあ、決算が集中する3月31日より前に経済が死ぬ緊急事態宣言やロックダウンをやって株価が崩壊しても困るでしょうし、ギリギリの選択なんでしょうか。4月1日以降、相場が死にそうだけど。

 と思えば、都知事の小池百合子さんが突然週末の外出禁止の要請を記者会見でやったものだから、お年寄りを中心にパニックが発生してスーパーやコンビニから食料品の買い付け騒ぎが発生して、押すな押すなの大混乱が発生していました。マスクも消毒液も棚から消えて久しく、朝に薬局に行くとどこからやってきたのか中国人の皆さんが列を作っていたりと、コロナ騒動のお陰で世界が一変してしまったんですよね。

 世界に目を転じれば、どこの国も足元に火がついて、それどころじゃないよという状態になってしまいました。