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溝口 私は、同性愛が「精神疾患」や「異常性欲」とされていた時代に、少女漫画の中の美少年たちの関係性が素敵に描かれているのに救われました。一例を挙げれば、「摩利と新吾」(1977-84)を読んで、摩利が新吾のことを性欲も含めた意味で好きだ、ということが肯定的に描かれたことによって、世間一般でなんと言われようと、同性愛感情自体が悪いもののはずがないと思えたんです。
七崎 僕がゲイであることで諦めていた「幸せになる」ということを、ディズニー映画の「シンデレラ」が「幸せになることを諦めないで! 信じよう!」とかなり励ましてくれましたね。
溝口 一般的にはマンガや映画はエンタメであり娯楽ですけど、若いひとにとっては、命を左右する影響力を持ちますよね。
進化系のBL作品であったり、同性愛を描く一部の良い映画は特に若い人を元気づけていると思います。それはとても重要です。私は、良い作品とその作り手を、研究者としてじっくり学術的に論じたり、素早く批評したりして、応援していきたいです。
七崎 僕も! 応援したい。
溝口 では、批判しなくてはならない作品は、代表して松岡さんに観てもらって……。
松岡 わかりました。こういう内容だったよって伝えます(笑)
七崎 そうしましょう!(笑)みなさん、本日はありがとうございました。
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『BL進化論』電子版特設サイト掲載の溝口彰子さん╳柿沼瑛子さん対談「JUNEからBLへ “心の不良”だったあの頃」はこちらから読むことができます。