――国会議員がそんなことを言うんですか。
木村 はい、そういう方は若干います。
おそらく、差別しようという意図ではなく、無意識で出た言葉だと思いますが。そういう感覚は、議員に限らず大多数の方が持っておられるので。
――議員だけではない、と。
木村 そう思います。障害者の人は意思を期待されていないので、周囲の人たちが「この障害者は何をしたいのか」と介護者の人に聞くことはよくあることなんです。たとえば、巷で私が買い物をすると、店員さんは必ず介護者に「何にしますか?」と聞くんですよね。
でも、本当は直接こっちに聞いてほしいじゃないですか。だって、私が買うのに。
――それは非常に分かります。ヘルパーさんと出かけると、みなさん、ヘルパーさんばかりに話しかけますね。僕の意思なんか確認されません。
木村 それぐらい障害者って子ども扱いされているし、差別されている現状があるんですが、特定の人だけがやっているわけではなくて、社会全体にそういう認識があります。
「首はどこから折れてるんですか?」と聞かれ
――議員になってからマスコミの取材を受けることも増えたのではと思いますが、マスコミの人達から、意識のズレや差別意識のようなものを感じたことはありますか?
木村 あまりないです。ただ、中には「障害者のことをあまりよく分かってないんだろうな」と感じる質問を受けることもあります。
例えば、「首を損傷しているというのは、首はどこから折れてるんですか?」とか。「折れてたら死んでます」と思うんですけれども。普段聞かれないようなことを聞かれるので、「そこに関心があるんだ」と不思議な気持ちになることもありますね。
(#2「校長と対立『退学させますよ』れいわ・木村英子議員の壮絶すぎる女子高生時代」へ続く)
写真=深野未季/文藝春秋