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「お花見疑惑」の安倍昭恵夫人 “神出鬼没と不特定接触”はやめていただきたい

「私人」ではなく「公人」として対策を

2020/03/31

 先週土曜(3月28日)におこなわれた安倍首相の記者会見。

 ハイライトは2番目に質問した東京新聞の後藤記者だった。質問の内容が賛否を呼んだからだ。

・緊急事態宣言を出すような状況に近づいているという認識か

・森友学園問題で、自殺した財務省近畿財務局職員の手記が公表されたことで再調査をする必要性はないのか

 この2点を尋ねた。すると「コロナの会見なのに森友の質問をなぜするのか」「空気読め」といった批判がSNSで噴出したのだ。

3月28日、記者会見に臨む安倍晋三首相 ©︎AFP/AFLO

 私があの質問で思い出したのは3月21日に後藤記者が書いた記事だ。

「<新型コロナ>首相会見なし 『森友』追及避ける思惑か」(東京新聞)

 記事で注目すべきは“政権幹部”の「記者会見だと、コロナと関係ないことも聞かれる。対策本部会合で語ればいい」という言葉だった。ここでいう関係ないことは「森友」だろう。コロナと森友はつながっていたことになる。  

 あの3連休前の発信の仕方についてはこういう記事が。

「3連休、日本中が緊張緩んだ?『影響はこれから表れる』」(朝日新聞デジタル3月27日)

《専門家会議は今月19日、爆発的な感染拡大への懸念を打ち出しつつも、まだそれほどの事態には至っていないとの分析結果を発表。文部科学省は、新年度から一斉休校を求めない方針を決めた。》

 政府の2つの発信の仕方が国民の緊張感を緩ませたのかも知れないという記事だ。ほかにも日経新聞は「仮に3連休で感染が広がっていれば、これからさらに新規確認が増えることもあり得る」(27日)。

「貴重なコロナの会見の時間を無駄にするな」と怒るなら

 あのとき首相が国民に直接メッセージを伝える会見をやらなかったことは政治判断としてどうだったのか。各マスコミの検証が今後必要になる。

 そう考えると東京新聞の後藤記者が森友再調査のことを会見で尋ねたのは正しいのではないか。これをクリアにしないと政府の情報発信が揺らぐ。森友の説明をしたくないからコロナの説明もできないという「密接」な関係はずっと続く。

安倍首相と昭恵夫人 ©︎JMPA

 あの質問に対して「貴重なコロナの会見の時間を無駄にするな」と怒るなら、その前に「3連休のときも会見をしてほしかった」「もっと首相の声が聞きたかった、情報を知りたかった」と言うべきなのである。首相会見をさらに催促するべきなのだ。説明を聞きたいのは皆同じなのだから。