重度障害者2名が参議院選挙に当選し大きな話題を集めてから8か月余り。今、彼らは何を考え、どこに向かっているのか。れいわ新選組の木村英子参議院議員に、議員と同じ重度脳性麻痺者のライターである私、ダブル手帳(@double_techou)がインタビューした。
この取材のために新幹線に乗ったところ、駅員や車掌の方々の態度が以前とまるで違った。「車椅子席が狭くてすみません」などと言われたのは生まれて初めてだ。間違いなく、木村議員が委員会でその問題を指摘したことによるものだろう。私も木村議員の影響力をひしひしと感じている障害者の1人だ。(前中後編の#3/#1、#2を読む)
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裁量は「持っている。というより、裁量ばっかり」
――れいわ新選組とのやり取りの頻度はどれくらいですか?
木村 必要な時に連絡し合うので、定期的なものはなくて。ある程度裁量を持っている……というより、むしろ裁量ばっかりですね(笑)。「自由にやってください」と言われているので。
――例えば消費税・経済政策のような福祉政策以外の分野に関しても、山本代表からトップダウンで指示が下されるわけではないのですか?
木村 ええ、トップダウンではないです。もちろん意見を求められることはあるので、意見交換はさせてもらっています。ですが、特に山本代表から「これについてこうしろ」とか、そういうのはあまりないですね。
――国会には、政策分野ごとに常任委員会が設置されていますね。党の中でも、木村議員は国土交通委員会に、舩後議員は文教科学委員会に所属されています。ハード面は木村議員、教育政策は舩後議員、というふうに分野ごとに役割分担されているのですか?
木村 一応ざっくりとはされています。ただ、舩後さんとは同じような問題点を共有しているところもあります。例えば、(障害を理由とした)高校の定員内不合格の問題(*)のように、同じ政策を一緒にやらせていただくこともあります。
*志願者数が定員に満たない公立高校を受験した重度障害者が不合格となるケースについて、舩後議員らを中心に「インクルーシブ教育の理念に反する」などとして是正を求めている。
――お2人の打ち合わせの頻度は?
木村 それもその都度、必要な時に集まってますね。
厚生労働委員を希望していたけれど
――木村議員が国土交通委員会に振り分けられた経緯を教えて下さい。
木村 我が党はまだ弱小政党なので、希望は出しますが、数の多い政党から希望通り決まっていき、一番余った委員会を振り分けられる感じらしいです。舩後さんは希望通り文教科学委員会に入れましたけど。
私は厚生労働委員会を希望していたので、何人かの議員に、譲っていただけないかお願いに上がりましたが、難しくて。とはいえ、国土交通委員会にも障害者に関わる問題はたくさんあるので、今はそこを頑張って取り組みたいと思っています。