――委員会質問では、観念論ではなく、極めて具体的・建設的で、なおかつ分かりやすい提案をされていますね。そして、国土交通大臣からも前向きな発言を多く引き出しておられる。
木村議員が「車椅子スペースの運用・大きさ・量が極めて不十分」と指摘した新幹線の問題では、大臣から「大変けしからん話」という言葉を引き出し、即座に「対応の抜本的な見直し」がJR各社に要求されました。多機能トイレについても「障害者用とそれ以外の乳幼児用などを分け、さらに障害種別ごとでも作って、障害者が利用しづらい現状を解消すべきではないか」と質問し、大臣が設計基準の迅速な見直しを指示することにつながりました。
何故、初当選の議員でありながら、これだけ突出して質の高い質問が次々とできるのですか?
木村 質が高いかどうかは分からないんですけどもね。
ただ、一つ言えるとすれば、私が難しい言葉をあまり分からないというのがあります。大臣や役人の方が仰る法律用語や制度名って、ものすごく長ったらしくて分かりにくいんですね。ですから質問する時は、法律用語や制度などをかなり読み込む。つまり、自分が分かりやすい言葉に変えて質問します。
そうして生まれる「自分にとって分りやすい言葉」は、結果的に相手にも分かりやすいんじゃないでしょうかね。私たちの仲間には知的障害者の方も居ますから、尚更分かりやすさには気を付けています。
当事者を呼んだ、徹底的な視察
――質問を練り上げる際の具体的な工程も伺いたいです。
木村 はじめに、私や他の障害者がどんな事で困っているかというのを、考えたり聞いたりします。具体的に言えば、国交省に関係するバリアの問題を抱えている方たちを呼ぶわけです。次に、きちっとその現場に行って視察をします。
――視察はどのようにされるのですか?
木村 例えば、新幹線のバリアフリーだったら、実際に私が乗って、本当に車いすがはみ出しちゃうとか、乗れてないとか、前日までに予約しなければ駄目だとか示していく。視覚障害者の点字ブロックや見守りのことであれば、実際に当事者の方達と一緒に駅を歩いて、どんなところが危険かを視察するんです。
そういった中で初めて知ることもあります。私も、点字ブロックには誘導ブロックや警告ブロックなどの色々な種類が細かく決まっていることは知りませんでしたし。それらの知識も覚えていきます。
そうやって知ったことを、「困ってる事や実情を当事者目線で分かりやすく大臣にお伝えしよう」という感じで質問しています。
聴覚障害者が券売機で切符を買うとき……
――今後、国土交通委員としてどのような課題に取り組んでいきたいですか?
木村 鉄道一つ取ってもまだまだ課題はあります。例えば、聴覚障害者の方が券売機で切符を買う時に、駅員からの伝達手段がインターホンだったりするので。耳が聞こえない人に対してなんでインターホンなのかな、とか。
――言われてみると確かにおかしいですね。
木村 飛行機も、車いすだとどうしても乗りにくい、医療機器が必要な人は搭乗の1か月前までに予約が必要であるなど、いろいろなバリアがあります。
今年はバリアフリー法の改正とかもあるので、それもやっていきたいと思っています。