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告発者を会議室で“恫喝” 患者を食い物にする「がん免疫療法クリニック」 の許されざる実態――文藝春秋特選記事

告発者を会議室で“恫喝” 患者を食い物にする「がん免疫療法クリニック」 の許されざる実態――文藝春秋特選記事

エビデンスのない“治療”で高額をむしり取る

2020/04/03
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効かないことは承知で金を取っていた

 2時間近い不毛な言いがかりの中で、彼らの本音が出た場面がある。

石井院長 大半は標準治療をやり尽くしてくる。そういう患者にANKをいくらやっても効果はないんです。

勝俣教授 えっ、標準治療が終わった人にANK療法をやっても、効果が出ないんですか?

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石井院長 抗がん剤やり尽くした患者はね、免疫力が低いから効かないんです。

勝俣教授 効果が期待できない患者さんにも、実際に治療を行うと?

石井院長 それは患者の方でぜひやってくれというから。それは仕方なくやっていますけど。

 つまり、効かないことを承知のうえで、多額の金を患者から取っていたのである。

ずさんな経営で自己破産

 去年9月、石井クリニックはずさんな経営によって自己破産した。帝国データバンクによると、負債総額は約9億円にもなる。

 がん患者を狙った、自由診療は他にもある。

 東京・世田谷区の高級住宅街にある「ガーデンクリニック中町」。大型のシャンデリアが吊られた室内。装飾や調度品は、中世ヨーロッパ調の贅沢な雰囲気だ。

ガーデンクリニック中町

 そんな空間に設置されているのは、大型の温熱治療機器や、カプセル型の放射線ホルミシス装置。あまりに奇妙な取り合わせである。

 2017年10月、ある女性がここを訪れた。「乳がんステージ0または1。全摘手術で5年生存率は97%」と診断され、2日後に手術が予定されていた。しかし、その後に思わぬ展開が待っていた……。

出典:「文藝春秋」 3月号

 がん患者をターゲットにした、自由診療クリニックの許されざる行為については、「文藝春秋」3月号および「文藝春秋digital」に掲載の「超高額『がん免疫療法』戦慄の実態」に詳しく掲載されている。

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超高額「がん免疫療法」戦慄の実態
告発者を会議室で“恫喝” 患者を食い物にする「がん免疫療法クリニック」 の許されざる実態――文藝春秋特選記事

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